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実施報告

平成30年度アジア地域における男女共同参画推進官・リーダーセミナー

開催期間:10月2日(火)~6日(木)


国立女性教育会館では、平成30年度アジア地域における男女共同参画推進官・リーダーセミナーを「農山漁村女性のエンパワーメント」をテーマとして、10月2日~10月6日に開催し、アジア5カ国(カンボジア、中国、インドネシア、韓国、ベトナム)から、男女共同参画に携わる行政担当者やNGOのリーダー9名が参加しました。この研修は毎年、男女平等や女性の社会参画に関するグローバルなテーマを定めて開催しており、今年度は農林水産省や農業協同組合が実施している、女性農業者のリーダーシップ推進に関する取組みを学ぶことに主眼をおいています。

会館到着

国立女性教育会館滞在中、会館のミッションや男女共同参画の推進機関としての役割などの講義を受講し、女性教育情報センターや女性アーカイブセンターの展示「鉄道と女性展 鉄道を動かし、社会を動かす」を見学。また研究国際室研究員が平成27年度より実施している「男女の初期キャリア形成と活躍推進に関する調査」について報告し、3年間のパネル調査から得られた知見を共有したほか、事業課専門職員から8月に実施された「男女共同参画推進フォーラム」についての情報提供をしました。

女性教育情報センターの見学

女性アーカイブセンターの見学

研修2日目にはカントリーレポートの報告を行い、アジア5カ国における最新の男女共同参画政策や農山漁村地域における女性のエンパワーメントに係る課題を共有しました。

カントリーレポートの報告

会館滞在中には、地域に根差した事業経営の在り方を学ぶため、埼玉県吉見町で鉢花や観葉植物等の販売を行っているガーデンセンターさにべるを訪問し、副店長の間室みどりさんからお話を伺いました。間室さんはデンマークでの留学経験を生かして、生活の中で花を楽しむ文化を日本にも根付づかせたいとの思いで店舗経営に従事されています。広い店内に美しくディスプレイされた季節の花々やハンギングバスケットを熱心に写真撮影する研修生の姿が目立ちました。

ガーデンセンターさにべる

農林水産省では、日本政府が実施している農業における男女共同参画の推進に係る具体的な取組みに関する講義を受講しました。「農業女子プロジェクト」は、女性農業者が日々の生活や仕事、自然との関わりの中で培った知恵をプロジェクトの趣旨に賛同した企業の技術・ノウハウ・アイデアと結び、新たな商品やサービスの開発に繋げていく仕組みです。また、家族農業経営に携わる各世帯員が働きやすい就業環境などを取り決める「家族経営協定」も紹介されました。後半の質疑応答での研修生からは「農業女子プロジェクトにおける協力企業の選定方法」「家族経営協定を締結する世帯数を増やすために、どのような施策が有効だととらえているか」「新規就農希望者への支援の在り方」等、多岐に渡りました。

農林水産省

研修の後半では山形市に移動し、スタディーツアーに参加しました。
JAてんどうでは昭和49年に部員相互の連携親睦と農協運動の推進を目的として女性部が発足し、372名の部員が活動を行っています。平成27年には若手女性農業者を部員とするフレッシュミズ部会が設立され、持続可能な地域作りへの貢献を目指して、食育に関する映画上映会等を開催しています。講義終了後は芋煮をはじめとして地元の特産物等がふるまわれ、研修生は東北の美味を堪能しました。

JAてんどう

研修4日目の午後には上山市の長沼果樹園に移動し、県内の農業関係者との意見交換に参加しました。山形県農林水産部農業技術環境課普及専門員より「輝くアグリウーマン育成事業」について説明の後、「農業女子プロジェクト」メンバー4名から女性農業者の就農経緯と現在の課題について伺いました。結婚を機に農家に嫁いだ、両親が経営していた農園や果樹園を継ぎながら新たなビジネスを立ち上げた、夫の就農をきっかけとして自身も農業に携わることになった等、農業との関わり方は多様ですが「新しい技術や専門的知識を学ぶ機会が少ない」「女性ならではの悩みを打ち明ける人がいない」など、ディスカッションを通じて女性農業者を取り巻く課題が明らかになりました。

女性農業者との意見交換

研修最終日は、山形市男女共同参画推進センター(ファーラ)を訪問し、日本国内の女性関連施設の取組みを学びました。ファーラでは、男女共同参画に関する講座、図書資料室の運営に加え、相談事業も行っています。センター内の視察を終えた研修生からは「未就学児とともに講座に参加することが可能な『親子室』や託児施設等の子育て中の利用者に配慮した設備に感銘を受けた」との意見が出されました。

山形市男女共同参画センター(ファーラ)

ファーラ視察の後、山形県男女共同参画推進センター(チェリア)の取組みについて講義を受けました。チェリアでは地域で男女共同参画を担う女性の人材育成事業として「チェリア塾」を県内各地で実施しています。研修当日にファーラで開催されていた「チェリア塾実践コース」最終日の振り返りのセッションを見学し、受講生と交流の機会を持つことができました。

「チェリア塾」の見学

振り返りのセッションでは「女性農業者との意見交換を通して、様々な困難を乗り越えるため行動を起こしていることを知り、大変感銘を受けた」「女性人材育成研修を見学できたことが有益だった」「利用者の立場に立ったファーラの設備が印象に残っている」等の意見が出ました。閉講式を終えた研修生は10月7日、帰国の途につきました。

閉講式

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