国際連携

NWECグローバルセミナー

実施報告

平成29年度 NWECグローバルセミナー 女性の活躍促進に向けた取組み ドイツの経験から考える

開催期間:平成29年12月7日(木)

開催場所:一般財団法人主婦会館 プラザエフ クラルテ


国立女性教育会館では、ドイツから専門家を招聘し「女性の活躍促進に向けた取組み ドイツの経験から考える」というテーマで、NWECグローバルセミナーを次の内容で開催します。

申し込みを締め切りました。多数のお申し込みありがとうございました。

1.趣旨

東西ドイツ統一を契機として1990年代以降、ドイツではジェンダー平等に係る様々な取組みが進められてきました。女性の就業継続のための支援やワーク・ライフ・バランス施策の推進の必要性、高齢化社会における男女格差の拡大など日独両国は共通のジェンダー課題をかかえています。また政治分野および民間企業でのポジティブ・アクションの実施など、ドイツの男女共同参画政策は日本にとり多くの示唆に富んでいます。平成29年度のNWECグローバルセミナーではドイツから専門家を招聘し、ドイツの経験から日本は何を学ぶことができるかについて議論をおこないます。

2.主題

「女性の活躍促進に向けた取組み ドイツの経験から考える」

3.主催

独立行政法人 国立女性教育会館

4.後援

文部科学省
ドイツ連邦共和国大使館

5.会場

主婦会館プラザエフ クラルテ
東京都千代田区六番町15

6.期日

平成29年12月7日(木)13:00~16:30

7.使用言語

日本語、英語(同時通訳付き)

8.募集人員

企業関係者、研究者、男女共同参画の行政担当者、女性関連施設職員、駐日大使館職員、女性団体等のリーダー等 80名程度

9.プログラム

基調講演 「決着のつかない問題:21世紀におけるジェンダー平等 ドイツの事例」

講 師:
    ウルリケ・ヘルワース
         ドイツ女性協議会 国際ジェンダー平等政策顧問


パネルディスカッション 「企業における女性の活躍促進」

パネリスト:
     森川 典子 
         ボッシュ株式会社 取締役副社長 
     カレン・シャイア
         お茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所 特別招聘教授
         デュースブルグ・エッセン大学教授

コーディネーター:
     大西 祥世
         立命館大学法学部 教授

10.申込方法・申込期限

①申込方法

ア.電子メール
   下記の必要事項を入力のうえ、rese2@nwec.jpまでお申し込みください。
   (メールのタイトルを「平成29年度NWECグローバルセミナー参加希望」としてください。)
   
   1)お名前・フリガナ、2)郵便番号・住所、3)電話番号、4)ファックス番号、
   5) メールアドレス、6) 所属先

イ.申込用紙をダウンロードのうえ、必要事項を記入し、下記までお送りください。

   独立行政法人国立女性教育会館研究国際室 グローバルセミナー担当
   FAX番号 0493-62-9034

②申込期限 平成29年12月4日(月)必着
③決定通知

  参加決定次第、メールもしくはファックスにて参加確認をおこないます。

11.所要経費

参加費 無料

国立女性教育会館は、平成29年12月7日(木)に「女性の活躍促進に向けた取組み-ドイツの経験から考える」をテーマとした平成29年度NWECグローバルセミナーを、主婦会館プラザエフ(東京都千代田区)において開催し、80名を超える参加者があり活発な議論が行われました。

第Ⅰ部基調講演は、ドイツ女性協議会 国際ジェンダー平等政策顧問のウルリケ・ヘルワース氏による「決着のつかない問題-21世紀におけるジェンダー平等:ドイツの事例」と題するドイツ国内の男女平等推進の取組みについての包括的で詳細な報告です。主として労働・格差・リーダーシップの現状について説明し、「ジェンダー平等はジェンダー視点を包含した民主主義に基づく公正で持続可能な社会を構築するために不可決」と強調します。
ヘルワース氏は、長い間ドイツ女性協議会広報部長を務め、2015年以降、国際社会でのジェンダー平等政策の動向についての助言やロビー活動に取組むなど、幅広い活躍をされている立場から、ドイツの現状を明らかにしました。とりあげられた問題は、教育・女性の労働・男女賃金格差・政治におけるリーダーシップ・クオータ制・女性に対する暴力など、多岐にわたるものです。特にドイツのジェンダー平等政策の根幹をなす法的措置である、すべての子どもを対象とした保育所の設置・両親手当・家族を介護するための有給休暇などについて詳細な解説がありました。そのうえで結論として、平等は努力してつくるもの、道はまだ半ばであり、不断の取組みが不可欠だ、という力強いメッセージが発信されました。

第Ⅰ部 基調講演(ウルリケ・ヘルワース氏)

第Ⅱ部のパネルディスカッションは、「企業における女性の活躍促進」をメインテーマにした熱気あふれる報告と論議です。ドイツの現状と課題は、日本社会にとっても多くの示唆に富むものであり、日本の企業の取組み状況については、組織の中で多様性を推進してきた立場から現在の実情と問題点が明解に示されました。

カレン・シャイア氏は、お茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所とデュースブルグ・エッセン大学 社会学研究所/東アジア学研究所の2つの研究所に属する位置から、日独の比較を中軸にした「労働と雇用にジェンダー不平等をもたらす要因—日独の比較」を紹介します。
ドイツと日本の類似点を示し、その理由について労働・雇用の面から考え、互いに学び合える問題を探るという視点から詳しいデータをもとに説明がなされました。制度的な相違はあるものの、ドイツは社会民主主義的な思想が根底にあり、それに対して日本は自由主義的な市場を基礎においているが、ともに保守的な福祉国家であることが類似点だとする観点から解き明かされます。そして、ドイツの経済活動がどのようにジェンダー化されるかをめぐって、女性の労働参加率が高いこと、非正規雇用者の割合が40%であることなどの現状をデータに基づいて解説しました。今後の課題としては、経済分野での女性のリーダーシップの発揮や男性的企業風土の変革に進展がないため、政治分野への女性の参画が進んでいないことを挙げています。

カレン・シャイア氏

森川典子氏は、ボッシュ株式会社取締役副社長として、女性活躍を強力に進めている立場から、「企業における女性活躍の推進」のテーマで、ボッシュジャパンの活動事例を具体的に紹介しました。主な活動例としては、女性エンジニアとその上司を対象とする講演やパネルディスカッションなどの開催、上級管理職向けダイバーシティ研修、育休復帰者とその上司向け研修の実施などが挙げられ、とりわけ、社員の声・ニーズをきちんと反映した取組みを進めているという観点が印象に残ります。また、もう一つ力を入れている取組みとして、ボッシュが2014年から全世界で展開しているインターナショナル・ダイバーシティデーの内容も詳しく紹介されました。日本では、男性中間管理職のハートに響かせるために男性が聞きたい男性講師による講演会や、男性育休体験者を交えた本音トーク、チームでの活動発表、ダイバーシティ・イベントメニューの提供など、多様で斬新なアイディアに基づく活動はたいへん興味深いものでした。

森川 典子氏

コーディネーターの大西祥世氏は、ジェンダーと法・政策を専門とする立場から、女性躍進のために今後、何が必要なのか、どうすれば可能なのかという難問をわかりやすく整理し、筋道を立てたリードによって解決策に向けた議論がいっそう深まりました。

大西 祥世氏

パネルディスカッションには、基調講演者のヘルワース氏も加わり、会場からの多くの熱心な質問に丁寧に回答されました。

第Ⅱ部 パネルディスカッション

質疑応答では、フロアから多岐にわたる質問が続出し、活発な議論がかわされました。

ヘルワース氏に対しては、パートタイマーの現状・父親の育児休業・税制の実態などについて、シャイア氏にはクオータ制の効果と課題などについて、森川氏には育休後の復帰の実態やダイバーシティプログラムについての質問が続きました。
女性が活躍するためには継続して働き続けることが重要なこと、クオータ制はツールの一つであって万能の解決策とまでは言えないこと、男女ともに無意識のバイアスで自信喪失しがちな状況を克服する必要があることなどが示され、今後の課題としてセミナーのまとめともなりました。

フロアとの質疑応答

基調講演とパネルディスカッション、参加者との質疑応答を通して、ジェンダー平等や女性活躍を牽引してきたドイツの先進的で豊富な取組みが、今日の日本社会にとって多くの示唆に富んでいることがよく理解でき、日本のこれからの方向性が見えてきた有意義なセミナーとなりました。

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