研修・イベント

研修

実施報告

2019年度「地域における男女共同参画推進リーダー研修<女性関連施設・地方自治体・団体>」

開催期間:2019年5月22日(水)~24日(金) / 定員:130名

開催場所:国立女性教育会館


事業内容

地域の男女共同参画を推進するリーダーとして必要な専門的知見、マネジメント能力、ネットワークの活用力を向上させるための研修を実施。

【講師が変更になりました】2019年5月14日

5月23日(木)パネルディスカッション「メディアとアンコンシャスバイアス」10:15~12:00
竹下隆一郎(ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社ハフポスト日本版編集長)
→中村かさね(ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社ハフポスト日本版ニュースエディター)

すべての申し込みを締切ました。多数のお申し込みありがとうございました。
追加募集のお知らせ 2019年4月22日

全てのコースが定員に達しましたので、募集は締め切りました。
お申込みが盛況のため、講堂で開催されるプログラムに限り、【日帰り部分参加】枠として参加者を追加募集します。ただし、【日帰り部分参加】の方は、宿泊対応(前泊を除く)及びeラーニング講座の対象とはなりませんので、ご了承ください。

*参加可能プログラム
5月22日(水)13:00~「(1)開会」から5月23日(木)~14:45「(9)事例報告『自治体における政策の推進とSDGsの活用』」まで

(1)申込方法 申込フォーム:【日帰り部分参加】2019年度「地域における男女共同参画推進リーダー研修」よりお申込みください。
*申込フォームより送信ができない場合については、別紙参加申込書に必要事項を記入の上、事業課宛てに郵送ください。
*送受信の行き違いや受信もれを防ぐため、FAXは不可とさせていただきます。

(2)申込期限 平成31年4月25日(木)17:00必着

(3)参加通知 別紙記載の連絡先に電子メールまた文書によりお知らせいたします。
*5月10日(金)までに連絡がこない場合は事業課までお問い合わせください。
(電話:0493-62-6724 月~金曜の9:00~17:00)

(4)無料託児  研修期間中、おおむね1歳以上~就学前のお子様を対象に実施します。
*事前申込制(先着順)、10名程度。
*5月7日(火)までに託児申込書をダウンロードの上、事業課(progdiv@nwec.jp)に送付ください。
託児申込書は下記9の「申し込み方法等」をご確認ください。

申込受付期間:2019年4月1日(月)~4月25日(木)午後5時必着

1.趣  旨

テーマ:男女共同参画推進に向けた取組とSDGs(目標5:ジェンダー平等)
 男女共同参画社会の形成を推進するため、地域における男女共同参画の推進者を対象として、知識・企画力・実践力を養うための高度で専門的な研修を実施します。
 参加者は、男女共同参画の基本理念について改めて学ぶとともに、喫緊のジェンダー課題に関する最新情報や取組事例、国の施策の最新動向等を習得します。また、全国からの参加者との情報交換を通じ、現状把握と課題解決のヒントを得ます。
 今回は、2015年に国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)が、その目標の5番目に「ジェンダー平等」を掲げていることを受け、近年目にすることの多くなったSDGsについての理解を深めつつ、これを用いた男女共同参画推進の取組の可能性についても探ります。

2.主  催 

独立行政法人国立女性教育会館

3.共  催 

特定非営利活動法人全国女性会館協議会(女性関連施設コースにおける共催)

4.会  場 

国立女性教育会館
〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
TEL 0493-62-6724
FAX 0493-62-6720
URL https://www.nwec.jp  Eメール progdiv@nwec.jp

5.期  日 

2019年5月22日(水)~24日(金)〔2泊3日〕

6.対象及び定員

 地域の女性関連施設、地方自治体、団体等で男女共同参画推進リーダーとして実践的な取組を行っている方で、研修終了直後のアンケートと6か月後に実施するフォローアップ調査の両方を提出可能の方 130名

A:女性関連施設職員コース(50名)

 公私立女性会館・女性センター、男女共同参画センター等、男女共同参画社会の形成に向けた拠点としての施設の管理職・リーダー等

B:地方自治体職員コース(50名)

 都道府県・市区町村の男女共同参画推進責任者等

C:団体リーダーコース(30名)

 地域で男女共同参画を推進する団体等のリーダー及び役員等

7.日  程

(*印のプログラムは希望者のみ参加)

8.内  容

第1日 5月22日(水)

(1)開会                               13:00~13:25
①主催者あいさつ  内海 房子  国立女性教育会館理事長
②共催者あいさつ  納米恵美子  特定非営利活動法人全国女性会館協議会代表理事
③趣旨説明     国立女性教育会館事業課専門職員

(2)基調講演「男女共同参画の歩みとこれから」             13:30~15:00
 今年は、男女共同参画社会基本法の制定から20年。日本における男女共同参画推進の歴史的背景と基礎的知識を改めて学びます。また、「女性活躍推進法」や「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」の制定により、女性が社会のしくみに参画する基盤ができつつある現状とこれからについて、国の動向を踏まえお話しいただきます。
 講師:名取はにわ  学校法人日本社会事業大学理事長、元内閣府男女共同参画局長

(3)情報提供「男女共同参画社会に向けた今日の政策課題」        15:15~16:45
 男女共同参画や女性活躍推進に向けた国の最新施策についての説明を受け、今後の方向性について理解を深めます。
 ①吉田 真晃  内閣府男女共同参画局総務課企画官 
 ②東江 赳欣  厚生労働省雇用環境・均等局総務課企画法令係長  
 ③高見 暁子  文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課男女共同参画学習室長


(4)見学「女性教育情報センター・女性アーカイブセンター展示室ツアー」(希望者)
                                    17:00~17:40
 女性教育情報センター・女性アーカイブセンター展示室を御案内しながら、NWECの情報事業などについて説明します。
 説明者:国立女性教育会館情報課長

(5)情報交換会(希望者)                       18:30~20:00
 立食形式で夕食をとりながら、全国からの参加者同士での情報交換とネットワークづくりを行います。 

第2日 5月23日(木)

(6)情報提供「NWECの事業展開について」               9:00~10:00
①研修事業について
 2019年度の研修事業計画について説明します。
 説明者:国立女性教育会館事業課長
②調査研究について
 研究国際室が現在取り組んでいる事業について、「男女の初期キャリア形成と活躍推進に関する調査」及び「学校教員のキャリアと生活に関する調査」を中心に説明します。
 説明者:国立女性教育会館研究国際室長
③国連女性の地位委員会(CSW63)報告
 平成31年3月に国連本部で開催された、CSW63での議論や合意結論について報告します。
 報告者:国立女性教育会館研究国際室専門職員

(7)パネルディスカッション「メディアとアンコンシャスバイアス」    10:15~12:00
 メディアが人々の価値観に与える影響力はとても大きいものがあります。日本におけるメディアや広告PRはどう変化してきたのか。メディア制作・編集者の視点から、男女共同参画とメディアの関係や人々の意識の奥にある価値観について海外事例も交えつつお話しいただき、これからの情報発信のあり方について学びます。
 スピーカー:中村かさね  ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社ハフポスト日本版ニュースエディター
 スピーカー:山本 裕介  グーグル合同会社ブランドマーケティングマネージャーWomenwillプロジェクトリード
 コーディネーター:治部れんげ  ジャーナリスト/東京大学大学院情報学環客員研究員

(8)講義「SDGsにおけるジェンダー平等の意義と位置づけ」      13:00~14:15
 SDGsとは何か。SDGsが国連で採択されるまでの流れや基本理念、及びSDGsにおけるジェンダー平等の位置づけについて学びます。
 講師:田中由美子  国立女性教育会館研究国際室客員研究員/城西国際大学招聘教授/国連女性の地位委員会日本代表

(9)事例報告「自治体における政策の推進とSDGsの活用」       14:15~14:45
 静岡市は、日本政府からは「SDGs未来都市」に、国連からは「SDGsハブ都市」に選ばれており、「ジェンダー平等」を含め、SDGs推進に積極的に取り組んでいます。市の政策・施策とSDGsをどのように結び付け取り組んでいるかを報告いただき、 今後私たちが取り組むべき課題とSDGsの関係性を考えるためのヒントを得ます。
 報告者:稲葉 博隆  静岡市企画局企画課主幹兼地方創生推進係長


(10)テーマ別分科会「5×X 男女共同参画課題をSDGsで考える」    15:00~17:30
 各テーマについての報告を踏まえ、そのテーマについてSDGsを用いた分析・課題整理を行い、課題の解決に向けた方策を考えます。

A:政治分野における女性の参画
 「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」の制定から1年。女性の政治分野への参画は進んでいるのか。その障壁は何か。4月の統一地方選挙の結果及びパリテ・アカデミーの若手女性の政治リーダーシップ養成の取組を踏まえ、女性の政治分野への参画に向けた課題の共有と解決に向けた方策を探ります。
 報告者:申  琪榮  一般社団法人パリテ・アカデミー共同代表/お茶の水女子大学ジェンダー研究所准教授

B:学校における隠れたカリキュラム
 男女平等と思われがちな学校教育に隠れたカリキュラムが潜み、固定的性別役割分業の払拭が難しいに状況にあります。学校における男女共同参画課題を共有し、学校と地域が協働・連携するためのアプローチについて考えます
 報告者:村松 泰子  公益財団法人日本女性学習財団理事長/東京学芸大学前学長・名誉教授

C:経済分野の男女格差と性別役割分業
 経済分野での女性の活躍が求められる一方で、処遇やキャリア形成の男女差は大きく残っています。この背景には、女性が、出産・育児・介護などを理由に離職しがちなことも関わっており、ケア役割の男女不平等も同時に問われています。最新の統計データに基づき、これからの働き方とケア役割のあり方について考えます。
 報告者:高見 具広  独立行政法人労働政策研究・研修機構経済社会と労働部門研究員

D:男女共同参画の視点に立った防災
 男女共同参画の視点に立った防災とは何か。これからの防災・減災・復興には多様な視点が必要です。男女共同参画の視点からの災害対応について、参画型・体験型の学習機会を提供している男女共同参画地域みらいねっとの事例報告をもとに、計画策定のあり方と地域人材を活用した継続的な取組について具体的に考えます。
 報告者:小山内世喜子  一般社団法人男女共同参画地域みらいねっと代表理事

第3日 5月24日(金)

(11)コース別分科会「課題解決のヒントを探る」              9:00~11:00

A:女性関連施設職員コース「地域における男女共同参画データのまとめ方~ジェンダー統計について考える」
 男女共同参画センターにおいて地域の実情に合った事業を企画していくためには、それぞれの地域の男女共同参画の実情を把握し、課題を明らかにすることが欠かせません。ジェンダー統計の基礎を知り、各センターでデータをまとめ、その成果を活用して事業を展開していくためのヒントを得ます。
 報告者:牧野 圭子  公益財団法人富山県女性財団事業課長
 解説・ファシリテーター:斎藤 悦子  お茶の水女子大学基幹研究院人間科学系准教授 

B:地方自治体職員コース「男女共同参画センターと相談事業」
 相談事業の意義と何か。個別の相談から見えてきたジェンダー課題をどのように把握・分析し、施策や事業に活かしていくことができるのか。その方策と実践例を紹介しながら、今後の方策と取組の可能性を探ります。
 報告者:仁科あゆ美  一般財団法人大阪府男女共同参画推進財団理事兼本部長

C:団体リーダーコース「持続可能な活動に向けたマネジメント」
 各団体の継続的な活動実施に必要なマネジメントについて学ぶとともに、SDGsの視点から団体活動を捉え、関係機関と協働していくためのヒントを探ります。
 報告者:新井 純子  合同会社のら代表社員

(12)全体会                              11:15~12:00
 分科会2の講師より、各分科会の内容について報告いただき、話し合われた課題や解決の方策について、全体で共有します。
 報告者:分科会2各コース登壇者
 コーディネーター:西山恵美子 国立女性教育会館事業課客員研究員

(13)閉会・アンケート記入                       12:05~12:15

9.申込方法等について

(1)申込方法  申込フォーム:2019年度「地域における男女共同参画推進リーダー研修」よりお申込みください。
*申込フォームより送信ができない場合については、別紙参加申込書に必要事項を記入の上、事業課あてに郵送ください。
*送受信の行き違いや受信もれを防ぐため、FAXは不可とさせていただきます。

(2)申込期限  平成31年4月25日(木)17:00必着とします。
*申込期間内でも、定員に達した場合は申込を締め切ります。
*5月7日(火)は、設備メンテナンスによる全館停電のため、すべての情報提供サービスを停止いたします。

(3)参加通知  別紙記載の連絡先に電子メール又は文書によりお知らせします。
*5月10日(金)までに連絡が来ない場合は、事業課までお問い合わせください。
(電話:0493-62-6724 月~金曜の9:00~17:00)

(4)無料託児  研修期間中、おおむね1歳以上~就学前のお子様を対象に実施します。
*事前申込制(先着順)、10名程度。
*5月7日(火)までに託児申込書をホームページよりダウンロードの上、事業課(progdiv@nwec.jp)に送付ください。

(5)そ の 他  
*開催要項、別紙参加申込書等の電子データはホームページからダウンロードできます。
*3日間通して参加できる方を優先します。

10.所要経費(金額はすべて消費税込)

(1)参加費    無料

(2)宿泊費    研修期間中は1名1泊あたり1,200円
前泊(5/21)・後泊(5/24)も同じ料金で宿泊できます。

(3)情報交換会費 3,500円(希望者のみ) 5月22日(水)18:30~20:00
夕食を兼ねた立食形式・貸切(食堂の通常営業を行いません)

(4)食費     会館レストランを御利用ください。
朝食バイキング:870円、昼食カフェテリア形式:550円~、
夕食バイキング:1,080円

11.その他

(1)事前学習(eラーニング講座の受講)
 参加決定後、本研修の参加前までに、男女共同参画の基礎知識を学ぶためのeラーニング講座を受講していただきます(総学習時間1時間程度、受講料無料)。

(2)情報コーナー(研修棟)
 参加者の皆さまが、所属する団体の男女共同参画を推進に関わるパンフレットやチラシなどの資料や書籍など、自由に交換・販売するコーナーを設置します。資料の運搬、陳列、金銭の取扱いなどは、各自の責任でお願いします。

(3)広報
 研修期間中に職員が撮影した写真を、事業記録や広報(ホームページ、フェイスブック、チラシ等)のために使用することがあります。あらかじめ御了承ください。

(4)フォローアップ調査の実施
 研修終了6か月後を目途にフォローアップ調査を実施いたします。実際の職務や活動に、研修成果がどのように役立てられているかについて伺うものです。御協力をお願いいたします。







※本研修は、第5回WAW!/W20シャイン・ウィークスへのイベント登録をしています。

2019年度「地域における男女共同参画推進リーダー研修<女性関連施設・地方自治体・団体>」開催報告

 5月22日(水)~24日(金)、女性関連施設の管理職・リーダー、地方自治体男女共同参画推進責任者、地域で男女共同参画を推進する団体リーダー等を対象に、全国女性会館協議会の共催で開催した。
 この研修は、男女共同参画の基礎知識から最新の関連課題までを学び、男女共同参画推進に関わる企画力・実践力を身に着けることを目的としている。近年では自治体や男女共同参画センターが新任者研修の一環と位置付けて申し込む例が増えており、今年度も募集開始とともに定員を大幅に超える応募があった。NWECで、宿泊とグループワークの学習環境の確保しながらもなるべく多くのニーズに応えたいと考え、全日程参加の方を優先する130名の定員枠のほかに、共通講義のみの部分参加枠を追加して申し込みを受け付けた。
 今年度のテーマには、2015年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)がその目標の5番目に「ジェンダー平等」を掲げていることを受け、「男女共同参画推進とSDGs」を取り上げた。講義や分科会を通してSDGsについての理解を深めつつ、これを用いた男女共同参画推進の取組の可能性を探る構成とした。
 当日は、全国から部分参加者31名を含む総勢157名がNWECに集まり、それぞれのプログラムを熱心に受講し、また地域を超えた交流を深めた。

第1日目 5月22日(水)

 まず、名取はにわ氏(日本社会事業大学理事長、元内閣府男女共同参画局長)が「男女共同参画の歩みとこれから」と題した基調講演を行った。名取氏は、長年にわたる男女共同参画行政の現場でのエピソードを交えながら、日本における男女共同参画施策の流れについて述べ、日本と諸外国との最新比較データを示して教育、経済、政治、賃金、非正規労働など各分野における今日的課題について解説した。行政官として制定に携わった男女共同参画基本法前文にこめられた精神についても詳しく紹介し、参加者からは「熱い思いが伝わった。ぜひ引き継いでいきたい」との声も聞かれた。

名取はにわ氏による基調講演はNWEC チャンネルで視聴できます。男女共同参画の基礎学習にぜひご活用ください!

 続いて、各省庁による最新政策動向についての情報提供を行った。国の担当官から直接施策の説明を受けられると毎年期待の高いコーナーだが、今年は、厚生労働省、内閣府、文部科学省の3府省が30分ずつ登壇。詳細な資料をもとに各施策のポイントを紹介し、質疑にも応じた。


 初日のプログラム終了後は、希望者を対象に、男女共同参画に関わる図書資料の宝庫である女性教育情報センターの見学会を実施。参加者は、NWEC独自の女性資料ポータルサイトWinet(ウィネット)の使い方、本館1階女性アーカイブセンター展示室で開催中の「ベアテ・シロタ・ゴードン展 日本国憲法に男女平等の思いを込めて」の説明を受けた。

 その後の情報交換会には約120名が出席し、にぎやかな立食パーティとなった。参加者同士で積極的に名刺交換する姿が見られ、地域、また官民を超えたネットワークづくりが図られた。

第2日目 5月23日(木)

 第2日目は、NWECの事業展開についての情報提供で始まった。事業課から2019年度の研修事業計画について、研究国際室から事業計画と「男女の初期キャリア形成と活躍推進に関する調査」「学校教員のキャリアと生活に関する調査」等について紹介した後、今年の国連女性の地位委員会(CSW63)に参加した職員からその報告を行なった。国連事務総長が開会式で「意思決定の場での女性の参画を進めることがSDGs達成の効果的な手段」とスピーチしたこと、また各国から多様な参加者が集った熱い会場の雰囲気などが写真を交えて紹介された。

 続いてのパネルディスカッションのテーマは、「メディアとアンコンシャスバイアス」。壇上には、メディア制作の現場から気鋭の3氏、治部れんげ氏(ジャーナリスト/東京大学大学院情報学環客員研究員)、中村かさね氏(ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社ハフポスト日本版ニュースエディター)、山本裕介氏(グーグル合同会社ブランドマーケティングマネージャーWomenwillプロジェクトリード)が並び、治部氏のテンポのよいコーディネートで、情報を発信する側のジェンダーバイアスをどう点検していくか、人々の意識に届く効果的な発信方法や多様性を保証する環境づくりなどについて考えた。実際の動画作品が紹介され、子育て世代の3氏が自身の暮らし方・働き方を通してアンコンシャスバイアスの存在に気づかされた経験についても率直な話がはずみ、参加者の大きな共感を呼んだ。

 講義「SDGsにおけるジェンダー平等の意義と位置づけ」では、田中由美子氏(国立女性教育会館研究国際室客員研究員/城西国際大学招聘教授/国連女性の地位委員会日本代表)が、SDGsに関する基礎知識と、その目標の一つに掲げられたジェンダー平等の具体的な展開について詳しく解説した。田中氏は、SDGsが「誰一人取り残さない」社会を先進国も含めた国際的な共通目標として策定されたこと、17のゴール(目標)が掲げられているが、第5ゴールのジェンダー平等は、他の全てのゴールの達成に不可欠な要素であると述べ、貧困、リプロダクティブ・ヘルス・ライツ、教育、災害などの分野で進められている世界各地の取組を紹介しながら、ジェンダーギャップ指数110位の日本が今後一層の認識をもってSDGsの活用に取り組む必要性を強調した。

 続いて、国内でのSDGsの具体的展開事例として、「自治体における政策の推進とSDGsの活用」と題し、稲葉博隆氏(静岡市企画曲企画課主幹兼地方創生推進係長)が静岡市の取組について報告を行った。市で独自に「SDGs実施指針」を定め総合計画や予算編成に反映させていることや、「SDGsウィーク」と称して集中的に普及啓発を図っていることなどが紹介され、特に自治体関係の参加者からは強い関心が示された。

 講堂での共通講義はここまでとなり、この後は各研修室に分かれ、全日程参加者を対象とした分科会を行った。
 テーマ別分科会では「5×X男女共同参画をSDGsで考える」を共通項とし、今日的な4つのテーマ(政治、教育、経済、防災)について考えた。第5ゴールのジェンダー平等を他の目標と掛け合わせつつ、各分野において実現していくためにはどのようなことができるのか、専門家による講義+グループワークの構成で課題分析と解決策の検討を行った。

 分科会Aは「政治分野における女性の参画」がテーマ。講師は申 琪榮氏(一般社団法人パリテ・アカデミー共同代表/お茶の水女子大学ジェンダー研究所准教授)。申氏は、女性の政治参画が国際的な課題になっていること、また日本のジェンダーギャップ指数においては政治分野が最も大きい格差が示されていることを紹介し、昨年成立した「政治分野における男女共同参画推進法」を活用した女性の政治参画促進策について解説した。また、パリテ・アカデミーの女性候補者支援の取組として、心の壁を突破するための自信、政治家という職業の特性と魅力を理解するための知識、選挙運動に必要な実践的スキル、ロールモデル・メンター、チームとして働けるサポーターに出会うためのネットワークを得ることを目的とした政治トレーニングを紹介した。グループワークでは女性議員が増えると何が変わるのかについて討議したあと、女性のための政治トレーニングの企画案を考え、共有した。

 分科会Bは「学校における隠れたカリキュラム」がテーマ。講師は村松泰子氏(公益財団法人日本女性学習財団理事長/東京学芸大学前学長・名誉教授)。村松氏は、SDGsが掲げる持続可能な開発のためには、すべての人に必要な知識や技能の習得が不可欠であるにも関わらず、進学率や専攻分野などにおいて未だ明らかな性別格差を抱える日本の現状を指摘。学習カリキュラムだけでなく、女性が少ない学校管理職の現状や保護者との関係の取り方など、男女平等が実現していると思われがちな教育分野だが総合的に見直しが必要だと述べた。その後、NWEC研究国際室の飯島絵理研究員から「女性教員の活動推進に関する調査研究」の調査結果をもとに、学校現場の男女格差や性別役割分担意識の実態改善について様々なセクターからのアプローチの可能性について提言がなされた。その後、参加者は所属別のグループに分かれ、それぞれが抱えている問題や課題を共有し、解決策について話し合った。

 分科会Cは「経済分野の男女格差と性別役割分業」がテーマ。講師は高見具広氏(独立行政法人労働政策研究・研修機構 経済と社会労働部門副主任研究員)。高見氏は、日本では雇用の仕組みなど産業社会の構造・規範と家庭でのケア役割による制約との密接な結びつきが、賃金やキャリアなどに大きな男女格差を生み出している現状についてデータを用いながら明示し、ケア役割をどう分担するかがどのような社会を作っていくのかにつながる、と述べた。その後、多様なメンバーで構成されたグループに分かれ、このテーマに関して各自で感じている課題を出し合い解決策を検討、SDGsを追い風とし働き方や意識を改革しながら多角的に取組を進める必要性を共有した。

 分科会Dは「男女共同参画の視点に立った防災」がテーマ。講師は小山内世喜子氏(一般社団法人男女共同参画地域みらいねっと代表理事)。小山内氏は東日本大震災の発災直後から青森県男女共同参画センターで被災地のヒアリング調査を行い、そのニーズをもとに、実行委員会を組織して、男女共同参画視点が盛り込まれた避難所運営体験プログラムを作成。自治体や企業、自治会長など様々なセクターを巻き込み、各地で防災研修を実施してきた経緯を紹介し、ジェンダー主流化を図る具体的なツールとしての有効性を指摘した。グループワークでは、男女共同参画視点で防災を見直し、そこで気づいた課題を話し合い、その解決につながる具体策として、地域での研修講座や職員マニュアル策定などの企画案を練った。

第3日目 5月24日(木)

 最終日はコース別分科会を実施。所属の属性(女性関連施設、地域自治体、団体)ごとに分かれ、「課題解決のヒントを探る」を共通項に、それぞれの現場で抱える課題を共有しながら、実践的な課題解決策について考えた。
 女性関連施設管理職コースの分科会テーマは「地域における男女共同参画データのまとめ方〜ジェンダー統計について考える」。この分科会の企画運営は、全国女性会館協議会が担当した。まず、牧野圭子氏(公益財団法人富山県女性財団事業課長)から、「とやまの男女共同参画データブック」を調査研究事業の一つとして毎年発行しているという実践報告がなされた後、講師の斎藤悦子氏(お茶の水女子大学基幹研究院人間科学系准教授)から、ジェンダー統計の基礎知識について講義があった。斎藤氏は、ジェンダー統計は単なる性別データではなく、現状を把握し課題分析の道具となるものであり、いかなる社会や文脈の中にあるのかを理解して提示するものだと述べ、統計の前提となるジェンダー問題への理解の重要性を強調した。その後、グループで、教育、DV、収入格差、家事労働時間等を題材に、グラフを読み取るワークを行なった。

 地方自治体職員コースの分科会テーマは「男女共同参画センターと相談事業」。講師は仁科あゆ美氏(一般財団法人大阪府男女共同参画推進財団理事兼本部長)。仁科氏は、男女共同参画視点での総合的な相談事業を実施してきたドーンセンターや東日本大震災被災地での女性の悩み・暴力相談事業等での経験を踏まえ、行政が行う女性のための相談事業の意義、また個別相談対応に終始するのでなく、相談内容を分析して地域課題を顕在化させ、その課題解決につながる講座企画や次なる支援プログラムなどの事業や施策につなげていく機能の重要性について解説した。グループワークでは、各自治体での相談事業のあり方を振り返り、その課題や展開のアイデアについて共有した。

 団体リーダーコースのテーマは「持続可能な活動に向けたマネジメント」。講師は新井純子氏(合同会社のら代表社員)。まずグループワークで、各自の活動継続やマネジメントに関して困っていることを出し合った後、新井氏が取り組んでいるさいたま市内でのコミュニティ・カフェの活動について紹介した。新井氏は、カフェに集う人々との交流の中から、子育て支援や高齢者の生きがいづくりといった地域課題が発見され、その解決につながる事業アイデアと人材とが集まる循環が生まれていることについて触れ、小さな行動でも地域で相互に多様な力を出し合っていくことが、SDGsのめざす持続可能な社会づくりにつながっていく、と述べた。それらをヒントに、再びグループで各自の課題解決策について話し合い、様々な工夫を共有した。

 最後に、全員が大会議室に集まり、この研修全体をしめくくる全体会を行なった。コース別分科会の各講師から、それぞれの分科会の内容について報告があった後、コーディネーターの西山恵美子氏(国立女性教育会館事業課客員研究員)が、地域の実情にあった事業をどう展開するかが重要で、データ、相談分析、個人の複合的な課題を社会的な課題に結びつけて考えることが必要だと述べた。ジェンダー平等の目標だけを見るのではなく、SDGs全体が掲げる様々な側面においてもジェンダーの視点で捉え、小さな行動を積み重ねてジェンダー主流化を図っていくことで、持続可能な将来が拓けていくことを展望し、2泊3日のプログラムを終了した。

 参加者からは、「集中して学べて貴重な機会になった。今回の研修で学んだことは必ず実践の場で有効に使えると思う」「SDGsにおけるジェンダー平等と女性のエンパワーメントがすべてのゴール達成に不可欠であることを共有していきたい」「男女共同参画と他のテーマとのつながりや、民間、企業との連携について、重要性や必要性をしっかり学んだ」等の感想が寄せられた。

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