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研修

実施報告

平成30年度「学習オーガナイザー養成研修」

開催期間:平成30年12月12日(水)~14日(金)2泊3日 / 定員:30名

開催場所:国立女性教育会館


男女共同参画の基本理念や取組の意義、社会状況について整理するとともに、学習方法や評価など、事業企画・運営に関する実務を学ぶ研修を実施。

申し込みを締め切りました。
多数のお申し込みありがとうございました。

1.趣  旨

 国立女性教育会館では、「男女共同参画の視点に立った地域づくり」をテーマに体系的な学習プログラムを効果的に実践・展開できる人材を育成する「学習オーガナイザー」を養成する研修を開催します。
 男女共同参画の基本理念や取組の意義、社会状況や現代的課題について把握し、個人の課題と社会的課題のつながりについて整理するとともに、学習方法や評価など、事業運営に関する実務的な学びの機会を提供することで、経験者の知見・技能の向上と人材養成をもって男女共同参画の推進を図ります。

2.目  的

(1)男女共同参画の基点・基軸の形成
(2)学習をオーガナイズする企画力・実践力の形成
(3)地域における社会参画を推進する人の育成

3.主  催

独立行政法人国立女性教育会館

4.会  場

国立女性教育会館
〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
TEL 0493-62-6724・6725
FAX 0493-62-6720

5.期  日

平成30年12月12日(水)~12月14日(金)2泊3日

6.対象及び定員

女性関連施設、公民館、行政、大学、NPOなどで、研修・学習事業、女性のキャリア開発、女性の活躍推進・地域づくりに係る事業等の企画・実施経験を有する者 30名
*現に業務に就いている方、活動している方、初めて参加される方を優先します。

7.日程・内容

(各プログラムの間に10~15分の休憩が入ります)

第1日 12月12日(水)

(1)開会                             13:00~14:00
①理事長あいさつ    内海 房子  国立女性教育会館理事長
②オリエンテーション  佐伯加寿美  国立女性教育会館事業課専門職員

(2)講義「学習オーガナイザーの役割とは~プログラムデザインの意義と活用」
                                  14:10~14:50
 学習オーガナイザーの役割について解説します。また、学習プログラムの設計図となる「プログラムデザイン」作成の目的・意義とその重要性について、学習の「見える化」の視点から理解を深めます。
講 師:櫻田今日子 国立女性教育会館事業課長

(3)講義「男女共同参画の基礎的理解を深めるために~個人的課題と社会的課題をつなぐ、そして課題解決へ~男女共同参画の視点」
                                  15:00~16:00
 男女共同参画社会基本法の理解、視点の必要性、個人的課題と社会的課題のつながりについて理解を深めます。また、男女共同参画の歴史的経緯や、個としての女性と社会との関係などを踏まえ、男女共同参画の今日的な理解について講義を行います。
講 師:神田 道子 東洋大学名誉教授

(4)講義・グループワーク「統計から考える男女共同参画の現状」    16:10~17:20
 男女共同参画社会基本法の5つの柱をもとに、人権、意思決定の参画、職業と他の活動の両立、性別役割分業、国際的協調などについて、統計データから日本の男女共同参画の現状と課題を深掘りし、読み解きます。地域の実状を知るための基礎としての統計の見方を学びます。
講 師:中野 洋恵 国立女性教育会館研究国際室長

(5)情報交換会                          18:30~20:00
 全国からの参加者同士のネットワークづくりを図り、交流を深めます。

第2日 12月13日(木)

6)講義「協働型学習の理論・方法について」             9:10~10:30
 協働型学習(グループワーク)を単なる「意見交換の場」にとどめずに、場の学びをどう振り返り意味づけするか、その意味づけの中から実践につながる「気づき」を通じて、学びから実践につなげる重要性について、社会教育の視点から考えます。
講 師:笹井 宏益 玉川大学学術研究所教授(予定)

(7)講義「男女共同参画の視点に立った事業企画を考える」      10:45~11:30
 学習プログラムを企画・実施する上での注意点をPDCAサイクルに基づき、解説します。また、プログラム実施によって実践の場づくりやネットワークが拡がった事例も紹介します。
講 師:松下 光恵 NPO法人男女共同参画フォーラムしずおか代表理事

<昼食休憩11:30~12:30>

(8)実践研究「地域づくりと自己開発・キャリア開発を結びつける」  12:30~13:50
 職業や社会活動をとおして自己開発・キャリア開発を進めた実践報告をもとに、その共通要因やポイントについて把握します。また、キャリア開発を進めていくうえで、社会参画へと結びつけていくことを考えます。
報告者:植村亜季子 もりおか女性センター総務経理部リーダー
          学習オーガナイザー養成研修H28年度修了生
    寺田 理恵 荒尾市役所総務部総務課男女共同参画推進室参事
          学習オーガナイザー養成研修H29年度修了生
コーディネーター:亀田 温子 十文字学園女子大学名誉教授
               日本女性学習財団理事

(9)グループワーク「地域に即した課題解決プログラムをつくる」①  14:00~17:30
 課題解決に向けての意識開発と実践活動につながる学習プログラムデザインを、実際に企画・作成します。
ファシリテーター:西山恵美子 国立女性教育会館事業課客員研究員
学習支援:平成30年度「学習オーガナイザー養成研修」企画委員
     国立女性教育会館事業課専門職員

第3日 12月14日(金)

(10)グループワーク「地域に即した課題解決プログラムをつくる」②  9:00~10:45
 課題解決に向けての意識開発と実践活動につながる学習プログラムデザインを、実際に企画・作成します。
ファシリテーター:西山恵美子 国立女性教育会館事業課客員研究員
学習支援:平成30年度「学習オーガナイザー養成研修」企画委員
     国立女性教育会館事業課専門職員

(11)まとめと成果の共有                      10:45~11:30
 作成したプログラムデザイン案の発表により成果を共有するとともに、出来上がったプログラムを検証します。
コメンテーター:平成30年度「学習オーガナイザー養成研修」企画委員

(12)振り返り「学習オーガナイザーの役割」             11:40~11:55
 3日間の研修を通して学習したことや作成したプログラムデザインについて振り返り、学習オーガナイザーの役割について再確認します。
講 師:櫻田今日子 国立女性教育会館事業課長

(13)修了証の授与・閉会あいさつ                  11:55~12:15
中澤 貴生 国立女性教育会館理事

8.申込手続

(1)ホームページよりフォームでのお申し込み、もしくは別紙「参加申込書」に必要事項を記入のうえ郵送、のいずれかの方法でお送りください。
*送受信の行き違いや受信もれを防ぐため、FAXは不可とさせていただきます。

2)申込期限:平成30年11月30日(金)(先着順)
*申込期間内でも、定員に達した場合は申込を締め切ることがあります。

(3)参加のお知らせ
御本人宛に電子メールまたは郵送にて、10月下旬より順次お知らせします。
*平成30年12月3日(月)までに通知が届かない場合、事業課(電話:0493-62-6724)までお問い合わせください。

9.所要経費(金額はすべて消費税込み)

(1)参加費:無料
(2)宿泊費:研修期間中は、1名1泊あたり1,200円
*お風呂付きのお部屋に限りがありますので、お風呂なしのお部屋になる場合があります。その際は申し訳ございませんが共同浴室を御利用ください。特別な御事情のある方は事前にお電話で相談もしくは申込書備考欄に記入ください。
*12/11(火)及び12/14(金)も、1泊1,200円で宿泊可能です。
(3)情報交換会費:3,500円(立食形式、希望者のみ)
(4)食費:朝食 バイキング 870 円
昼食 カフェテリア形式 550 円~800 円程度
夕食 バイキング 1,080 円

10.平成30年度「学習オーガナイザー養成研修」企画委員(五十音順、敬称略)

・亀田 温子  十文字学園女子大学名誉教授、日本女性学習財団理事
・神田 道子  東洋大学名誉教授
・西山恵美子  国立女性教育会館事業課客員研究員
・松下 光恵  NPO法人男女共同参画フォーラムしずおか代表理事

11.その他

研修期間中に職員が撮影した写真を記録や広報のために使用することがあります。
あらかじめ御了承ください。

「学習オーガナイザー養成研修」実施報告

 12月12日(水)~14日(金)、「学習オーガナイザー養成研修」を実施した。女性関連施設や自治体、地域団体・民間・大学などから男女共同参画研修を企画・実施する方を中心に、北海道から沖縄まで全国各地から38名の参加を得た。
 男女共同参画の基本理念から社会状況や課題把握、統計情報を通じて、個人的課題と社会的課題を結びつけ、社会的土台作り基礎となる学習を進める大切さを学んだ。NWECが開発したプログラムデザインをもとに、男女共同参画の視点に立った地域づくりのための人材育成と事業を実施するために必要な理論と実践を学んだ3日間となった。

【プログラムデザイン】

 プログラムデザインとは、NWECが開発した、いわば、学習の設計図のようなものである。このプログラムデザインはNWECの全事業に活用されており、そこには趣旨や目的、目標、内容、方法が書き込まれ、研修の各プログラムが整理され、体系づけられ、最終ゴールに落とし込むように設計されている。

【学びの循環】

 学習オーガナイザーは今期で5回目を迎えた。「実践研究」の時間には、毎年過去の修了生が登壇している。学習オーガナイザーとして地域でどのような視点でどのような講座を企画し、波及効果をもたらしているかを発表するので、参加者は学習オーガナイザー修了生がどのような取組をしているのか、より身近に感じることができる。また登壇した修了生からはここで発表することにより自分の取組をあらためて整理し、発表の機会が自身のキャリア開発にも役立っている。
 毎年夏のフォーラムでも会館提供ワークショップとして学習オーガナイザー養成研修のミニ版を行っており、ここでも修了生が登壇、活動事例を発表している。

【内容】<第1日目>
(1)開会・オリエンテーション

 開会にあたり、内海房子(NWEC理事長)は、NWECが長年実施してきた男女共同参画に関する調査研究や研修成果を踏まえ、プログラムデザインを活用しつつ、男女共同参画の視点から学習プログラムを企画・展開できる「学習オーガナイザー」という新たな人材育成を目指す研修を行うことになったと説明。
 その後自己紹介や参加動機などを話し合いながらアイスブレイクを行い、各人が抱えている課題について出し合った。

開会あいさつ

オリエンテーション

(2)講義「学習オーガナイザーとは~プログラムデザインの意義と活用」

 「学習オーガナイザー」とはなにか。この研修の特徴を踏まえ、櫻田今日子(NWEC事業課長)が解説と説明を行った。学習オーガナイザーの役割は、男女共同参画基本法第1章第2条に基づき、地域が直面している現状をデータに基づき把握し、個人の課題を男女共同参画の視点から社会の課題と結び付ける研修の企画・実施を行うことと述べた。
 「プログラムデザイン」は、いわば学習プログラム(企画の中核を示す)の設計図。企画の「見える化」により、ブレのない事業運営が可能になること、課題解決へのアプローチにつながると説き、研修後は「学習オーガナイザー」として拠点にもどり、チーム力を使って、地域人材の育成を実践してほしいと結んだ。

(3)講義「男女共同参画の基礎的理解を深めるために~個人的課題と社会的課題をつなぐ、そして課題解決へ~男女共同参画の視点」

 神田道子氏(東洋大学名誉教授)による講義では、男女共同参画の視点形成が、男女共同参画を推進する意識、行動の核となるとの話から始まった。女性の「社会参加」時代から「男女共同参画」時代へ、個がどのように変わってきたか、すなわち固定的性別役割分業から政策や方針に平等に参画する社会へと変化するプロセスをふまえ、男女共同参画基本法の基本理念と特徴について解説した。
 自他の尊重、経済的自立性、固定的役割「分業」から「共業」への移行、そこに向かう社会的土台作りの必要性を強調した。その礎となるのは、学習の場を作ること、学習オーガナイザーとしての位置づけ、学習の展開をどのように進めるのかという学習プログラムであり、個人の抱える課題と社会の課題の結びつける視点の重要性であるなど、今後の男女共同参画推進に向けての重要なポイントを指摘した。

(4)講義・グループワーク「統計から考える男女共同参画の現状」

 中野洋恵(NWEC研究国際室長)による講義では、男女共同参画に関する統計は、国際的には「ジェンダー統計」と言われており、男女共同参画に関する問題を把握するためには、問題の所在とその課題を把握するとともに、課題解決の進捗や施策の評価を測定するために有効であることが最初に話された。
 ジェンダー統計は、国際的に重要な概念であり、2030年までに達成することを目的としているSDGsの17の目標もそれぞれが統計で指標設定されている。講義の中では、教育や労働、意思決定、意識の3領域の統計が示され、日本の現状について学んだ。
 また、統計局や内閣府、国立女性教育会館のデータベースなど、統計のアクセス方法が説明された。グループワークでは、都道府県別の男女の労働力率の表について、自分の県の数字の背景について話し合い、互いにわかったことをまとめた。データに基づき、高齢化や保育所不足、家事代行サービスの利用、共稼ぎに対する支援や家族の意識など、活発な意見が交わされ、データによる地域課題の把握と分析について学んだ。 

オプションプログラム

 当館の女性情報センター見学を行った。13万冊の蔵書を見学。Winetを使った検索方法、パッケージ貸出などについて五十嵐裕一(国立女性教育会館情報課専門職員)が説明を行った。

(5)情報交換会(希望者のみ参加)

 夕食を兼ねた情報交換会には、会館職員も参加。名刺交換をきっかけに日頃の疑問や各センターの事業の宣伝などの情報交換が活発に行われた。途中で席替えをし、様々な県の方々との交流も深められ、和やかな中にも熱気あふれる時間で、翌日からのグループワークにつながる参加者同士の関係づくりがおこなわれた。

<第2日目>
(6)講義「協働型学習の理論・方法について」

 笹井宏益氏(玉川大学学術研究所教授)による講義では、社会教育の視点からの学習理論や歴史的背景を学んだ。社会教育では「Learning to have」にはじまって、意識や行動を変える学習「Learning to be」までが求められていることを伝えた。
 また、人と関わり合うことが、自分や社会を高める意識や行動の変容に結び付くことを説明した。特に大人の学習活動においては、経験や実践をもとに相互に人と関わり合い、違いや共通点を発見すること、物事を多様な側面から総合的に捉え、自分なりに意味づけをしていくことが「気づき」をもたらすことを説き、参加者に「気づき」を導き出す学習を展開してほしいと訴えた。

(7)講義「男女共同参画の視点に立った事業企画を考える」

 松下光恵氏(NPO法人男女共同参画フォーラムしずおか代表理事)は、事業の企画を考える際に、現状やニーズの把握が必須であり、「自分たちがやりたいこと」と「必要とされていること」とは違うことを認識し、半歩先のニーズを予測することが大切だと述べた。また事業を評価するものさしを決めることと、それを元に不断の改善と目的の確認をする必要性をPDCAサイクルに基づき説明した。そして具体例として、若い世代、働く女性の来館が少ないことからデータを調べ、彼女たちが何をもとめているのかを洗い出した結果、次々とヒット企画を生み出した静岡市女性会館の取組を紹介した。
 また、「地域デザインカレッジ」(まちづくりを担う人材育成講座)では、受講した女性、若者、シニアが男女共同参画の視点を学び、始めた活動により、社会的土台を確立し、地域が変わった事例を上げつつ、他の組織、社会的資源との連携・協働など関係力や、理論と実践が循環できる「場」づくりの重要性を強調した。

(8)実践研究「地域づくりと自己開発・キャリア開発を結び付ける」

 まず、コーディネーター亀田温子氏(十文字学園女子大学名誉教授、日本女性学習財団理事)は、過去4年間の当研修参加者のフォローアップ調査の結果をもとに、組織連携につながる課題解決が重要であると述べた。
 続いて当研修修了生からの報告として、植村亜季子さん(平成28年度修了生、もりおか女性センター総務部経理リーダー)、寺田理恵さん(平成29年度修了生、荒尾市役所総務部総務課男女共同参画推進室参事)が、自身の行った事例をプログラムデザインを用いて発表した。
 亀田氏からお二人に、学習の場づくりの視点について、学習オーガナイザーとしての留意点、誰とどのようにつながったか、自身のキャリアへの影響、事業実施から見えてきた課題などについての質問がありインタビュー形式で進行した。

 植村さんは、総務部という立場から、しっかりした視点を身に着け組織力をより高める事業を行いたいという思いでこの研修に参加。研修後にここでの学びを職場に持ち帰り学びの還元をしよう、直接市民に関わる職員に対して研修の場を作り意識の共通理解を図ろうと、職員研修プロジュースチームを立ち上げた。その結果、新たな事業や市民と共にという思いがこめられた取り組みが増えた。今後女性センターが実施する事業を通して市民にどのようなメッセージを伝えていくのか、受講者の行動の変容や社会参画の仕掛けができるか、共通理解を図り、センターの基盤構築を図っていきたいと伝えた。
 寺田さんは、市の中心となる市役所が誰もが活躍できる場に変わらなければ、市全体は変わっていかないのではないかと思いこの研修に参加。市役所では資料の簡素化が進んでいることから、ここで学んだプログラムデザインが管理職への説明資料としては最適だと語った。企画した事業は2つ。一つは特別職を含めた管理職対象のイクボス職員研修であり、働きやすい環境づくりのためにはトップダウンが不可欠と管理職対象として企画した例。もう一つは、荒尾市役所女子会で、女性職員抱える不安や悩みを共有し、働きやすい職場づくりを目指そうという事例である。また来年度の事業企画も現在3本プログラムデザインと共に提出しているとのことである。

植村さん

寺田さん

 二人とも、男女共同参画の視点を持ち、ぶれない企画のためのニーズを把握しており、データをはっきり示しつつ学習を通じて社会的土台作りを進めていくことの重要性を述べられた。研修に参加したことでご自身のキャリア形成にも変化が見られたという。参加者からは「この研修を学んでどのように生かしたのか知ることができ具体的なイメージがわいた」「お二人は学びから強い熱意を生み出していてすばらしかった」などの感想があった。

(9)・(10)グループワーク「地域に即した課題解決プログラムをつくる」①・②

 ここから新たな8グループに分かれ、まずはグループで課題プログラムのテーマを決めるところから始め、次に空のプログラムデザイン表を埋めながら、事業企画の作成をスタートした。
 ファシリテーターの西山恵美子(国立女性教育会館事業課客員研究員)から示された「役割意識を持つ」「時間を意識する」「差違ではなく共通部分に目を向ける」「合意形成に向けて話し合いの拡散と収縮を上手に使い分ける」などの留意点を踏まえ、プログラムの完成を目指した。

 それぞれのグループでは、研修での学びと参加者自身の経験や知見をフル活用し、地域の男女共同参画課題の本質はどこにあるか、課題解決にむかう人材育成を行う切り口は何かなど、活発に意見を交わしながら作業を進めていた。
 途中でプログラム内容や作業の進捗状況を班ごとに報告し、他の班からプログラムのよい点・改善点についてフィードバックを受けた。また企画委員からも、「行きたいと思う魅力的なタイトルと内容になっているか」「具体的に困っていることをたくさん出した上で、そこから地域課題解決の視点をきっちりと入れ込んでいるか」「ニーズが把握しきれていない」「ターゲットの絞り込みが甘い」など厳しい助言が出され、それらを踏まえ、参加者はさらに改善を行い、作業を進める中でのアイデア出しや合意形成のプロセスなど、共同作業ならではの学びが多いワークショップとなった。

グループワーク①②

企画委員による笑顔の辛口コメント

 (11)まとめと成果の共有

 最終日にはグループごとに、作成したプログラムデザインの最終発表を行った(以下は事業名)
 A 子育てママのおしゃべりカフェ~あなたの一言が地域を変えるカモ?~(愛称:カモプロジェクト)
 B 私らしく生きるために~非正規雇用の単身女性のサバイバル術~
 C 大切な家族の命を守る防災カフェ
 D 自由研究もこれでバッチリ!◯◯◯探検隊
 E 教室の外で学ぶ防災 まちづくり人のつどい
 F 女性リーダー育成事業 ◯年後の未来を変えるハッピーキャリアプログラム
 G 勤め上げたワタシおめでとう 素敵に生きるためのネクストステージライフデザイン
 H 今から考える夫婦で親の介護

 企画委員の講評では、みなさん悩みながらも助言を生かし完成させており、いくつかはすでに持ち帰って使えるレベルのプログラムであるとのコメントがあった。また、基本法における社会的基礎としての土台がどこにあるのか、それをしっかりと見極めて当てはめていくことが大切であること、社会的課題に結びつけ土台作りをした後、最後に個人の課題に戻って確認すること、自己実現、社会参画、個人の生活の安定、時間の共有などをどのように結び付けていくかを考慮していくなどの留意点を伝え、今後は調査や統計データを入れてプログラムデザインを作っていく方向での検討も示された。
 ファシリテーターの西山は、目的・目標意識を持つこと、学習者の意識を変えるだけでなく、行動する人を増やしていくことが大切であると結んだ。

(12)振り返り「学習オーガナイザーの役割」

 櫻田今日子(NWEC事業課長)が、本研修での学びを振り返りつつ、改めて、「個人が抱える問題を男女共同参画の視点で読み解くことで社会的課題に結び付け、社会的土台づくりをする人材育成を行うこと」を地域における学習オーガナイザーの果たす役割と解説した。

(13)閉会

 閉会にあたり、中澤貴生(NWEC理事)より、3日間プログラムを受講した参加者に修了証が手渡され、この研修の参加者が非常に熱心に受講された姿に感銘を受けたと講評した。
 終了後のアンケートからは、「男女共同参画の基盤となる概念、学習オーガナイザーの意義と役割など、全方位的な要素をすべて学ぶことができた」「修了生の実践報告によりプログラムデザインの活用のイメージが持てた」「目的がしっかりした計画性のあるプログラムで、順序良く学び、考えも整理できた」「グループワークが多く、多様な中で一緒に作り上げる実践もでき、参加者同士のネットワークも広がった」などの感想が寄せられた。

 修了生のみなさんが、事例報告者としてまたNWECにもどって来てくださるのを期待しています。

研修・イベント