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実施報告

平成28年度「女性関連施設相談員研修」

開催期間:平成28年6月22日(水)~24日(金)<2泊3日> / 定員:80名

開催場所:国立女性教育会館 /


事業内容

困難な状況に置かれている女性を支援する人材を対象とし、専門的知識・技能の向上を図るための研修を実施。

1.趣  旨

 女性関連施設の相談員を対象に、女性に対する暴力などの喫緊の課題解決を目指し、相談者への理解を深め、必要な知識・技能を習得するとともに、関係機関との連携促進を図るための研修を行います。複雑・多様化する男女の悩みに男女共同参画の視点から適切に対応できる相談員の育成と業務の質の向上を図るための専門的・実践的研修です。

2.主  催 

独立行政法人国立女性教育会館

3.会  場 

国立女性教育会館
〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
TEL 0493-62-6725
FAX 0493-62-6720
Eメールアドレス   progdiv[at]nwec.jp *ご連絡の際、[at]部分は、@に変えてください。

4.期  日 

平成28年6月22日(水)~ 6月24日(金) 2泊3日

5.参 加 者  

公私立の女性会館・女性センター、男女共同参画センター等の女性関連施設において相談業務に携わっている相談員

6.定  員  

80名

7.日  程

(各プログラムの間に10~15分の休憩があります。)

8.内  容

第1日 6月22日(水)

(1)開会                              
 13:15~13:30
   ① 主催者あいさつ
   ② オリエンテーション

(2)講義1「男女共同参画の視点に立った女性相談とは」          
 13:30~15:00
 女性関連施設における相談業務の意義と役割について、女性が抱える問題の解決と女性のエンパワーメントの視点から学びます。
    講 師  景山 ゆみ子 前名古屋市男女平等参画推進センター相談担当
               主幹

(3)講義2「女性相談の実態と支援に関する法知識」           
 15:15~16:45
 実際によくある女性からの相談の事例などを交えながら、関係機関との連携の仕方や法的措置など、相談員として知っておくべき法知識を学びます。
    講 師  白石 美奈子 とらすと法律事務所弁護士
                神奈川県弁護士会犯罪被害者支援委員会委員長

(4)グループ討議                           
 16:55~17:30
 参加者同士の自己紹介を行った後、研修に対するニーズや課題などについて、グループワークと討議を通じ、整理・共有します。
    進 行 国立女性教育会館事業課専門職員

(5)情報交換会                            
 18:30~20:00
 相談業務における課題などの情報交換と参加者同士のネットワークづくりを行います。

第2日 6月23日(木) 

(6)情報提供「SNS利用トラブルの実情と防止策」              
 9:00~9:45
 インターネットやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を介して起こりやすいトラブルとその防止策について学びます。
    講 師  宮武 孝之 柏市教育委員会指導課生徒指導室室長

(7)分科会1「課題別ケース検討」                     
 10:00~12:30
 課題を抱える当事者に対して実際にどのように支援をしていったらよいのか、課題別コースに分かれて、講義とワークショップで学びます。

  A:人間関係に関する相談者への支援
   夫婦、子ども等の家族、職場や男女間など、人との関係性を巡る相談者の課題をどのように捉えて支援につなげるかについて学びます。
    講 師  田口 京子 ウィメンズカウンセリングいずみ代表

  B:配偶者等からの暴力被害者への支援
   配偶者等からの暴力被害について、相談受理から危機介入、自立支援に向けた実際の対応の留意点について学びます。
    講 師  竹之下 雅代 ウィメンズカウンセリング京都フェミニストカウンセラー

  C:DV被害を受けた母親と子どもへの支援
   DV被害を受けた母親と同様、その子どもも生活上の困難を抱えます。地域の中での切れ目ない支援に向けたポイントについて探ります。
    講 師  仲村 久代 認定NPO法人サバイバルネット・ライフ代表

(8)事例報告「よりよい支援の提供に向けた支援者エンパワーメントとは」(仮)
                                 
 13:30~14:15
 よりよい支援を行うためには、相談スキルの向上に加え、支援者自身のエンパワーメントが重要です。支援者のバーンアウトを防ぐとともに、必要な支援を持続可能にするための組織運営や連携・協働の仕組づくりについて考えます。
    講 師  米山 麻以子 公益財団法人東京YWCA女性と少女の人権課
 
(9)分科会2「『相談』と『支援』のその先へつなぐ」              
 14:30~17:00
 相談業務のあり方や相談者のエンパワーメントにつながる支援について、今直面している課題とその解決に向けた意見交換と共有を行い、今後の相談業務に役立つヒントを探ります。

  A:男性向け相談
     報告者  信政 ちえ子 広島市男女共同参画推進センターゆいぽーとセンター長

  B:デートDV防止教育出前講座—教育現場との連携—
     報告者  熊谷 正子 長野県男女共同参画センターあいとぴあ主査

  C:当事者・自助グループへの支援
     報告者  三好 千秋 高松市男女共同参画センター相談員

●オプション・プログラム「タッピングタッチ体験会」(希望者のみ)       
 19:00~20:00
 タッピングタッチは指先を使って軽く弾ませるように左右交互に優しくたたきながら、お互いに心地よさを楽しみます。日頃のストレス解消とともに、相談場面でも役立つリラックスとリフレッシュの方法を体験します。
     講 師  田平 総恵 タッピングタッチ認定インストラクター、
                臨床心理士

第3日 6月24日(金)

(10)情報提供「相談事業に役立つ国立女性教育会館の情報機能」       
 9:00~9:20
 女性情報ポータルWinet(ウィネット)と女性教育情報センターの紹介を通じ、相談事業に役立つ情報の活用について情報提供します。
     説 明  細川 芽  国立女性教育会館情報課長

(11)情報提供「ストーカー事案の概要と被害防止のポイント」         
 9:20~9:50
 ストーカー事案の概要と被害防止のポイントについて情報を得ます。
     講 師  加藤 邦明  埼玉県警察本部子ども女性安全対策課課長補佐

(12)講義「トラウマ・ケア/PTSD予防における援助者支援
           ~心的外傷後成長(PTG)の視点より」   
 10:00~11:30
 つらい出来事やストレスを経験後、より成長へと向かう「心的外傷後成長(Posttraumatic Growth:PTG)」に着目し、相談者・援助者双方の持つ困難を乗り越える力(レジリエンス)をどう高めるか、特に援助者自身に対する支援とメンタルケアを考えます。
     講 師  井上 孝代  井上孝代マイクロカウンセリングセンター(MCC)代表、
                 明治学院大学名誉教授

(13)閉会                              
 11:40~12:00
  ① アンケート記入・振り返り  
  ② 主催者あいさつ

9.申込方法・期限等

※申込期間内ですが、定員に達したため申込受付を締切らせていただきました。

(1)方  法
  ①インターネット:国立女性教育会館ホームページよりお申し込みください。
*google formで、
または申込書をprogdiv [at] nwec.jp ([at]は@に変更してください) 宛てに添付にてお送りください。
  ②郵送:国立女性教育会館事業課まで封書でお送りください。
※送受信の行き違いや受信もれを防ぐため、申込受付はインターネットまたは郵送のみ(FAXは不可)とさせていただきます。

(2)申込期間 
第1次申込開始(初めて参加される方)   平成28年5月10日(火)
第2次申込開始(過去に参加経験のある方) 平成28年5月23日(月)
申込締め切り日   平成28年6月3日(金)午後5時必着(先着順)

※申込期間内でも定員に達した場合はお申込を締切らせていただきます。
※会館が主催する女性関連施設相談員向け研修に初めて参加される方及び現に業務に就いている方からのお申込を優先とさせていただきます。
※平成28年5月9日(月)は設備メンテナンスによる全館停電のため、電話・FAX・電子メールによるお問合せ、ホームページからの情報提供サービスを停止いたします。

(3)提出書類
「参加申込書」 *フォームから直接お申し込みをいただいた場合、e-mail等での再度のご提出は不要です。

(4)決定通知 
 「参加申込書」記載の連絡先に、電子メールまたは文書にて発送します。6月9日(木)までに連絡がない場合は、お手数ですが事業課(Tel:0493-62-6725)にお問い合わせください。

10.所要経費

(1)参加費    無料
(2)宿泊費    研修期間中は、1名1泊あたり1,200円
         ※6月21日及び6月24日も1泊1,200円で宿泊可能です。
(3)情報交換会費 3,500円(税込、立食形式)
(4)食費     朝食 バイキング 870 円
         昼食 カフェテリア形式 550 円~750 円程度
         夕食 バイキング 1,080 円
※交通費・宿泊費・食費などの諸費用について、主催者からの支給はありません。

11.その他

(1)期間中、職員が撮影した写真を、事業記録や広報に使用することがあります。あらかじめご了承ください。
(2)研修の一環として、研修終了6か月後を目途にフォローアップ調査を実施いたします。
  皆様の実際の職務に、研修成果がどのように役立てられているかを伺うものです。
  今後、当会館が実施する事業を充実させていくための参考にさせていただきますので、
  ご協力のほどよろしくお願いいたします。

6月22日(水)~24日(金)、社会の変化とともに複雑 ・多様化する男女の悩みに対し、男女共同参画の視点から適切に対応できる相談員の育成とその業務の質の向上をはかることを目的とした「女性関連施設相談員研修」を実施し、全国各地の男女共同参画センター、配偶者暴力被害相談センター、民間団体、企業等から、105名の参加を得た。

主催者あいさつ 内海 房子国立女性教育会館理事長主催者あいさつ 内海 房子国立女性教育会館理事長

1日目の景山ゆみ子氏による講義では、相談者を「一人の女性」として受け止め、自分の問題に主体的に関われるように心理的支援・社会的支援をしていくことが重要である、と指摘。女性相談の意義と役割について、エンパワーメントの視点から学んだ。

講義1「男女共同参画の視点に立った女性相談とは」景山ゆみ子氏講義1「男女共同参画の視点に立った女性相談とは」景山ゆみ子氏

このほかにも、3日間を通して弁護士、埼玉県警察、柏市教育委員会、臨床心理士など、多彩な講師陣による講義や情報提供が行われた。相談業務に必要な法知識、PTSD防止など心理ケアの対応、相談員自身のバーン・アウト防止と組織運営や連携の仕組づくりなど、相談業務の基盤となる内容に加え、若年層におけるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を介したトラブルの実態とその対応策、ストーカー事案防止のポイントなどの最新情報を学んだ。

情報提供「SNS利用トラブルの実情と防止策」 講師 宮武 孝之千葉県柏市教育委員会指導課生徒指導室室長情報提供「SNS利用トラブルの実情と防止策」 講師 宮武 孝之千葉県柏市教育委員会指導課生徒指導室室長

会場内には、日頃業務のなかでの疑問・質問・発信したいことなどをふせんに書いて貼り付け、他の参加者がコメントを寄せることができる「知恵袋コーナー」を設置。参加者同士の集合知による課題解決をめざす。夜の情報交換会は、参加者、講師、職員が参加し、お互いのネットワークづくりをさらに広げるよい機会となった。

知恵袋コーナー(写真は3日目の様子)知恵袋コーナー(写真は3日目の様子)

2日目の分科会1では、人間関係の悩みやDV被害など、課題を抱えた相談者にどう対応するか、グループ討議で課題や対応を整理したり、実際の相談場面を想定したロールプレイを体験するなど、実践に即した内容と手法で理解を深めた。
 分科会2は、教育現場との連携、男性向け相談、自助・当事者グループの3つのテーマに分かれて展開された。各センターからの報告を受け、アウトリーチをどの範囲まで行うか、予防啓発には何が必要か、組織運営や他機関とどう連携するかなど、参加者自身が直面している課題を共有し、解決に向けた意見交換でそのヒントを探った。

分科会2-C「当事者・自助グループへの支援」分科会2-C「当事者・自助グループへの支援」

オプション・プログラム「タッピングタッチ体験会」(希望者のみ参加)では、講師による説明と実演のあと、ゆったりとしたBGMを聞きながら、2人組になりお互いに肩や背中をリズミカルにタッピングしていくと、参加者の表情もリラックスした笑顔に。相談場面での導入事例や自分自身のための「セルフ・タッピング」も体験し、研修中の疲れが癒やされるだけでなく、今後の業務に役立つアドバイスやヒントを得た機会となった

オプション・プログラム「タッピングタッチ体験会」オプション・プログラム「タッピングタッチ体験会」

3日目は研修後も日頃の相談業務で活用できるNWECの情報事業についての紹介のほか、埼玉県警察によるストーカー事案の概要と防止のポイントを学んだ。研修の最終プログラムは、井上孝代氏よりトラウマに対するグループセラピーの有効性とトラウマ後も成長へと向かう「心的外傷後成長(Posttraumatic Growth:PTG)」についての講義があった。援助者自身も「安全基地」を持つこと、孤立を防ぐことがレジリエンスを高める、とのアドバイスもあり、援助者自身に対する支援とメンタルケアのポイントを学んだ。

講義「トラウマ・ケア/PTSD予防における援助者支援」井上孝代氏講義「トラウマ・ケア/PTSD予防における援助者支援」井上孝代氏

 終了後のアンケートからは「講義の内容が、常に悩みながら行っている支援内容に合っていた。」「他の機関の参加者と交流を深めながら、今後の相談業務に生かせる知識や情報を得ることができた。」などの感想が寄せられた。

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