研修・イベント

研修

実施報告

平成27年度「大学等における男女共同参画推進セミナー」

開催期間:平成27年12月3日(木)~4日(金)  1泊2日 / 定員:80名

開催場所:プラザエフ(主婦会館) / 国立女性教育会館 /


事業内容

 男女共同参画社会の実現には、高等教育機関としての大学・短大・高専においても、その一翼を担うべきことが求められており、男女共同参画の推進に向けて、男女共同参画に関わる教職員を対象とした研修を実施。

1.趣  旨

 男女共同参画社会の実現は、国、地方公共団体、国民すべてに課せられた責務であり、高等教育機関としての大学、短期大学、高等専門学校においても、その一翼を担うべきことが求められています。
 一方、時代に適合した特色ある大学経営を進めるための経営戦略の一つに「男女共同参画」を位置付け、取り組むことが大学の研究力を上げ、学生を指導していく上で極めて有効です。
 本セミナーでは、大学が進むべき方向についての基調講演や講義、これまで各大学が取り組んできた女性活躍推進についての具体的な好事例の紹介や、これからの男女共同参画推進をとりまく状況についての豊富なデータ分析を通じ、学内で男女共同参画に携わる教職員を対象として、専門的、実践的な研修を行います。

2.主  催

独立行政法人国立女性教育会館

3.後  援

一般社団法人国立大学協会、一般社団法人公立大学協会、日本私立大学団体連合会、全国公立短期大学協会、日本私立短期大学協会、独立行政法人国立高等専門学校機構

4.会  場

1日目:プラザエフ(主婦会館)
    〒102-0085 東京都千代田区六番町15 (JR四ツ谷駅麹町口すぐ)
2日目:国立女性教育会館
    〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728

5.期  日

平成27年12月3日(木)~12月4日(金) 1泊2日

6.参 加 者

大学・短期大学・高等専門学校の男女共同参画に携わる教職員及び女性の採用、就労、入学、キャリア教育、就職に関わる総務・人事・入試・就職部門の教職員

7.定  員

80名

8.内  容

第1日 12月3日(木)【東京四ツ谷会場:プラザエフ(主婦会館)】

(1)開会                       
 13:30~13:40 
   ①主催者あいさつ  国立女性教育会館理事長  内海 房子
   ②プログラムの趣旨説明

(2)基調講演「21世紀の日本は女性が救う」     
 13:45~15:15
 UN Womenにおいて女性が活躍する世界10大学の一つに選ばれた名古屋大学で平成27年の3月まで総長をされていた、濵口道成氏をお招きし、名古屋大学にて推進してきた男女共同参画の取組を基にお話を伺います。研究と教育という大学の使命を踏まえ、学内全体への男女共同参画意識の浸透や推進体制を構築することの必要性など、大学において男女共同参画の推進に取り組むことの意義をお話しいただきます。

       講師:濵口 道成  国立研究開発法人科学技術振興機構 理事長
                 名古屋大学名誉教授 
                 文部科学省科学技術・学術審議会会長

(3)講義「なぜ、女性活躍促進に取り組むのか?~企業の取り組みの視点から~」
 15:30~17:00
 今、企業の多くは、組織の生き残りをかけ、女性の活躍やダイバーシティの促進に本気で取り組んでいます。女性の活躍促進は、世界的に見ても先進国を中心に目覚ましく進んでおり、これからの日本を考える上で極めて重要な課題となっています。諸外国をはじめ日本の企業が、今、なぜこれほど熱心に、女性の活躍に取り組んでいるのか。その意義と効果は?「日経WOMAN」編集長、日本経済新聞社・編集委員として多くの取材や記事執筆を手がけた野村浩子さんに、その経験と豊富なデータを踏まえ、組織が女性の活躍促進に取り組む意義や取り組みのポイントについて解説いただきます。

       講師:野村 浩子  ジャーナリスト  淑徳大学教授

(4)施策説明「女性活躍推進法について」       
 17:10~17:40
 8月に成立した「女性活躍推進法」により、女性活躍促進に向けて、事業主は行動計画の策定と、女性管理職登用や職員のワーク・ライフ・バランスの実現に向けて取り組む責務を負うこととなりました。これにより、大学等における取組も、より実行力のある計画が、待ったなしで求められています。ここでは、「女性活躍推進法」を踏まえた行動計画等作成のための説明を行います。

       講師:文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課

(5)情報交換会
 17:50~18:50
 参加者それぞれが抱える課題の解決に向けた方策について情報を交換するとともに、参加者同士のネットワークづくりを行います。夕食を兼ねた立食形式です。
(参加費3,000円、於:プラザエフ2階エフ)

   ☆国立女性教育会館へバスで移動(約90分)
   ※20:30頃到着予定 以降 自由時間 宿泊

第2日 12月4日(金)【埼玉武蔵嵐山会場:国立女性教育会館】

(6)情報提供「大学における男女共同参画推進の実態」
 9:00~ 9:30
 国立女性教育会館が実施した「大学等における男女共同参画に関する調査研究」の成果をとりまとめた「実践ガイドブック」(本研修テキスト)を用いながら、大学をとりまく状況や直面する課題について解説します。

       説明:国立女性教育会館研究国際室

(7)分科会
 9:40~12:30
 大学における男女共同参画推進の主要な課題について、事例報告をもとにディスカッションを行い、明日からの具体的な取り組みにつながる知見を培います。
  
 <分科会1>「男女共同参画の視点に立った職場環境づくり」 
 学内全体で、ワーク・ライフ・バランスの取れた労働環境づくりに取り組むためには、女性だけでなく男性も、育児だけでなく介護も、と支援の対象を拡げていく必要があります。分科会1では、国立大学と私立大学の取り組み事例をもとに、ダイバーシティ促進の上でも不可欠な研究や仕事と育児・介護といったライフイベントとの両立をめざした環境づくりについて考えます。

   事例① 報告者:渡部 修   関西大学総務局人事課人事課長
   事例② 報告者:物部 剛   京都産業大学学長室戦略企画担当課長   
   事例③ 報告者:森永 康子  広島大学副理事・男女共同参画推進室長
                  広島大学大学院教育学研究科教授
         コーディネーター:長安めぐみ
                  群馬大学 男女共同参画推進室コーディネーター

  <分科会2>「女子学生のキャリア形成支援」
 学生のキャリア支援の必要性が叫ばれ数年が経ち、大学のキャリア支援は定着し、発展しつつあります。特に女子学生は、就職に効果的なキャリア支援プログラムがある大学を求めています。分科会2では、国立大学と私立大学と高等専門学校の取り組み事例をもとに、大学等における女子学生キャリア支援について考えます。大学は、就職だけではなく、その後のキャリアを形成するために、女子学生をどう育て、どのように社会へ送り出すべきかを考えていきましょう。

   事例① 報告者:古瀬憲弘    立教大学 キャリアセンター
   事例② 報告者:武内真美子   九州大学 男女共同参画推進室准教授
   事例③ 報告者:内田由理子   香川高等専門学校詫間キャンパス一般教育科教授
        コーディネーター:上西 充子  法政大学教授  

   ☆昼食<レストランらんにて>
 12:30~13:30

(8)全体会
 13:45~14:15
 各分科会の報告と考察により、参加者の情報共有を行います。
    
     コーディネーター:国立女性教育会館研究国際室
     分科会報告者:長安めぐみ  群馬大学 男女共同参画推進室コーディネーター
            上西 充子  法政大学 教授  

(9)アンケート記入・閉会
 14:15~14:30

9.申込方法・期限等

参加申し込みを締め切らせていただきました。
(1)方  法
     Eメール: progdiv@nwec.jp
     郵送:〒355-0292 埼玉県比企郡嵐山町菅谷728 
                独立行政法人国立女性教育会館事業課 小井川宛   
     
(2)申込期限
   平成27年11月27日(金)(先着順)
   ※ 期間内でも定員に達した場合は申込の受付を締め切らせていただきますので、ご了承ください。
(3)提出書類
  ①「参加申込書」(別紙1)
  ②「大学・短期大学・高等専門学校における男女共同参画推進の実情・工夫について」(別紙2)
(4)参加決定のお知らせ
 ご本人宛にメールにてお知らせします。11月30日(月)までに連絡がない場合は、お手数ですが事業課(電話:0493-62-6724/6725)までお問い合わせください。

10.所要経費(金額はすべて消費税込)

(1)参加費     テキスト代として2,000円を徴収させていただきます
(2)宿泊費     研修期間中は1泊1,200円(後泊も同額)
(3)食費      2日目は、会館内レストランらんをご利用ください。
            朝食はバイキング形式870円です。
            昼食はカフェテリア方式700円~1,000円程度です。
(4)情報交換会費  3,000円(12月3日 17:50~18:50 立食形式)

11.保  育(事前申込制、先着順)

保育のお申込みは、締め切らせていただきました。

12.情報交換コーナー

ご所属大学などのパンフレットやちらしなどを自由に交換するコーナーを設置しますのでご利用ください。

13.そ の 他

期間中、職員が撮影した写真を事業記録や広報のために使用することがあります。あらかじめご了承ください。

全国から大学等関係教職員100名を超える参加

大学・短期大学・高等専門学校の男女共同参画に携わる教職員及び女性の採用、就労、入学、キャリア教育、就職に関わる総務・人事・入試・就職部門の教職員を対象とした1泊2日(12月3日(木)~4日(金))のセミナーを開催し、全国から大学等関係教職員、100名強の参加を得ました。3日はプラザエフ(四ツ谷)で、4日は国立女性教育会館(埼玉県武蔵嵐山)での実施でした。

1日目 プラザエフ 東京会場

1日目の東京会場では、基調講演として濵口道成氏(国立研究開発法人科学技術振興機構理事長、名古屋大学名誉教授)(写真)から「21世紀の日本は女性が救う」をテーマに、UN Womenにおいて女性が活躍する世界10大学の一つに選ばれた名古屋大学でのご経験から、大学側の視点で男女共同参画推進についてのお話を伺いました。「『日本の女性』とは皆さんのことですよ。」濵口氏は、冒頭から一言、私たちに、一緒に考えてほしいというメッセージを投げかけてくださいました。グローバルな視点で日本を見たときに、日本の女性の活躍が喫緊の課題であることを、優しく、かつ力強くお話ししてくださいました。世界の課題や日本の課題を幅広く捉えることの大切さをご示唆いただいた上で、これからの超高齢化社会を支えるために、日本の女性リーダーを育てることの重要性や、大学で男女共同参画を進めていくために粘り強い活動が必要なこと、若いお父さんお母さんを愛情もって包み込む社会が必要なこと、自由な発想が持続可能な社会やイノベーションを生み出すこと等をご示唆いただきました。会場からは多くの質問が出され、その質問に対して真摯に受け答えしていただく姿が、大変印象的でした。

続いて、野村浩子氏(淑徳大学教授)(写真)より「なぜ、女性活躍促進に取り組むのか?~企業の取り組みの視点から~」をテーマにお話しいただきました。豊富なデータを基に、「女性活躍に関しては、他国に遅れをとってしまっている。対策をどんどん進めていかなければならない。追い風がある今だからこそ女性活躍を進めていきたい。」という力強いメッセージをいただきました。女性活躍の2つの軸を、「仕事と生活の両立支援」と「キャリア形成支援」におき、2日目の分科会のテーマにつながっていきました。また、大学教授の視点から、「人は誰でもリーダーになれる。様々なタイプのロールモデルを見て、参考にし、小さなグループのまとめ役から、少しずつ成功体験を重ねてほしい。」と学生に伝えていただくようにメッセージをいただきました。

更に、高橋雅之氏(文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課長)(写真)から8月28日に成立した「女性活躍推進法」についての施策説明があり、出されたばかりの策定の指針を中心にご説明いただきました。行動計画を策定する前に、状況把握や課題分析をすること、フローチャートで行動計画をわかりやすく示すこと等をご示唆いただきました。

情報交換会(写真)では、教授と職員の枠を越えたネットワークの構築と情報交換が進められました。その後、2日目のプログラム参加者はNWECまでバスで移動し、チェックイン後は宿泊棟ラウンジでゆったりとワインを飲み交わしながら和やかな雰囲気の中、担当する業務や各大学の課題などについて話し合われました。

2日目 国立女性教育会館 埼玉会場

2日目の最初のプログラムはNWEC研究国際室(写真)からの情報提供。「大学における男女共同参画推進の実態」をテーマに据え、NWECが実施した「大学等における男女共同参画に関する調査研究」の成果をとりまとめた「実践ガイドブック」の内容を基に、大学をとりまく状況や直面する課題について解説しました。


分科会では、大学における男女共同参画推進の主要な課題について、事例報告をもとにディスカッションを行い、明日からの具体的な取り組みにつながる知見を培いました。

分科会1「男女共同参画の視点に立った職場環境づくり」では、参加者数が予定よりも多くなってしまいましたが、コーディネータの長安めぐみ氏(群馬大学)(写真)には、リラックスした雰囲気の中、的確なご助言をいただき、参加者の意見を引き出してくださいました。「今日は、課題解決の源になる、顔と顔とのつなぎをつくってほしい。大学は、縦のつながりは強いですが、是非横のつながりを強くしてほしい。」とのご助言をいただき、参加者のネットワークづくりのコーディネートもしていただきました。

事例①は、渡部修氏(関西大学総務局人事課人事課長)(写真)から、ご報告いただきました。関西大学は、「関西4大学共同宣言」のもとに「関西大学男女共同参画に関する基本方針」を策定し、それに基づき、短期的視点から、実現可能なもの、発信可能なもの、検討を要するものに区分し、随時様々な取り組みを着実にされているということをご発表いただきました。

事例②は、物部剛氏(京都産業大学学長室戦略企画担当課長)(写真)から、ご報告いただきました。京都産業大学は、「男女共同参画宣言」を独自に掲げ、学長主導のもと、意識啓発、両立支援、研究キャリア支援等を経営戦略として取り組まれていることをご発表いただきました。

事例③は、森永康子氏(広島大学副理事・男女共同参画推進室長)(写真)から、ご報告いただきました。広島大学は、推進室を早くから立ち上げ、特に子育て支援と介護支援の2つに力を入れてきており、保育所の拡充やセミナー等の開催を通して、着実な取組をされているとご発表いただきました。

分科会2「女子学生のキャリア形成支援」では、フリーディスカッション形式で、進めていったということもあり、実際に目の前の課題をどのように解決していくかの具体策について、参加者同士意見を出し合いながら、十分話し合う時間が持てたのではないかと思います。コーディネータの上西充子氏(法政大学)(写真)からは、「キャリア形成支援は、様々なカリキュラムの中で行われる必要がある。就職ガイダンスでもキャリア形成支援の視点を持ちたい」とご助言をいただき、キャリア形成支援の大切さについて学ぶことができました。

事例①は、古瀬憲弘氏(立教大学キャリアセンター就職支援課)(写真中央)から、ご報告いただきました。立教大学は、男女共生支援ということで、男女平等を根本理念に据えて、1年に2~4本のセミナーやガイダンス等を行い、ワークショップやパネルディスカッションをとおしてキャリア形成支援に取り組んでいることをご発表いただきました。

事例②は、武内真美子氏(九州大学男女共同参画推進室准教授(写真))から、ご報告いただきました。九州大学では、男女共同参画推進体制に学生教育等部門を位置づけ、専任の教員やスタッフがジェンダーキャリア教育等を中心に検討しているとのことでした。結果としてグループワークやディスカッションを取り入れ、工夫した講義になるようにしているとご発表がありました。

事例③は、内田由理子氏(香川高等専門学校詫間キャンパス一般教育科教授)(写真)から、ご報告いただきました。高専機構としては、平成23年3月に男女共同参画宣言を掲げ、どの高専機構でも同じような取組を推進できるという利点があります。香川高専としては、女子学生のキャリア支援のためのワークショップを行い、夢と希望がもてるような取り組みをされているというご発表をいただきました。

各大学からの報告を聞いた後、それぞれの分科会は、4~6人組の少人数グループに分かれてディスカッションを行い、参加者それぞれが抱える問題の共有と解決に迫りました。

全体会の様子 全体会の様子

参加者からは、

  • 他機関の具体的な取り組みや課題が共有できてよかったです。ネットワークができたので今後の活動に活かしたい。
  • 自らの大学の強み、課題を整理する機会になった。将来的な取り組みへの示唆を得られました。
  • 本学は男女共同参画については遅れをとっています。これから種々の制度を策定するにあたり、多面的に取り組むことができるのではないかと思いました。
  • 事例発表から多くの学びを得ることができました。また、他大学の方と意見交換ができてよかったです。

などの感想が寄せられました。

今回の研修に参加された大学等の担当者の方々が、ここで得られた知見やネットワークを活用して、各大学の女性活躍の促進に取り組まれることを期待します。

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