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コラム

「 男女共同参画社会の形成は男性中心型労働慣行を変えてこそ 」 鹿嶋 敬

鹿嶋 敬 男女共同参画会議議員・計画策定専門調査会会長/一般財団法人女性労働協会会長

 第4次男女共同参画基本計画の特徴は何ですか?とよく聞かれる。なんといってもそれは、同計画の第1分野に掲げた「男性中心型労働慣行等の変革と女性の活躍」を「第2分野以降に掲げた関連施策」と併せて実施すること、すなわち全施策の横断的視点として位置づけたことである。

 男女共同参画社会基本法が制定施行になってから17年。男女共同参画社会は形成されたのか-そう問うた時、「未だし」と答える人が多いのではないか。ではなぜ、現実のものになっていないのか。第4次計画の策定にあたって辿り着いた結論のひとつは「長時間労働や転勤が当然とされている男性中心の働き方を前提とする労働慣行」、すなわち「男性中心型労働慣行」が変わらなければ困難であるということだった。

 私は男女共同参画社会基本法の制定年、1999年に諮問を受けた第1次計画から今回の第4次計画まで、すべての計画の策定に携わった。いずれの計画にも共通しているのは、男女共同参画の視点、すなわち男女間の格差の是正や男女の人権の尊重等が盛り込まれていることだが、今回のようにそれらの視点に加え、「男社会を変えなければだめだ」という考え方を強く打ち出したのは初めてである。

 女性活躍推進法の成立など、女性の活躍が主流化してきたことも、今後は男女共同参画社会の形成の後押しになりそうだ。女性活躍推進法と男女共同参画社会基本法は、親子の関係に見立てることができる。女性活躍推進法の趣旨を第1条は、「男女共同参画社会基本法の基本理念にのっとり」、女性活躍推進に関する基本原則を定め、国や地方自治体、事業主の責務を明らかにしたとうたう。男女共同参画社会基本法の基本理念とは、同法の3条(男女の人権の尊重)から7条(国際的協調)までを指す。

 今、与党が力点を置く女性の活躍推進は、経済政策である。総理自身もその旨、総合誌などに書いている。ただ女性活躍推進法の背後には、男女の人権の尊重など社会政策の要素も含まれている点は理解しておく必要がありそうだ。

 第4次計画は「目指すべき社会」の冒頭に、「男女が自らの意思に基づき、個性と能力を十分に発揮できる・・・社会」を掲げている。子どもが小さいうちは子育てに専念し、手が離れたら再就職したいというのが「自らの意思」であれば、それでいいのである。女性活躍は女性に働け、働けと言っているのではないかといった、第2次計画策定当時、巻き起こったバックラッシュ(揺り戻し)を想定した場合、これは有効な反論にもなると思っている。

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