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NWEC国際シンポジウム ジェンダー平等と女性の経済的エンパワーメント実施報告

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国立女性教育会館は、平成28年2月12日(金)に「ジェンダー平等と女性の経済的エンパワーメント」をテーマとした平成27年度NWEC国際シンポジウムを主婦会館プラザエフ(東京都千代田区)において開催し、内外からの70名近い参加者を得て、活発な議論が行われました。

ベルゾーサ氏
     1. 基調講演(エミリン L.ヴェルゾーサ氏)

第1部基調講演は、フィリピン女性委員会委員長エミリン L. ヴェルゾーサ氏による「女性の経済的エンパワーメントに相乗効果をもたらすジェンダーに対応したフィリピンの取組み」と題する詳細な報告です。
カナダ政府の支援を得てフィリピン女性委員会が実施した「GREAT Womenプロジェクト」について、フィリピン各地で実施された具体的な事例に基づく報告は、女性の経済分野での参画が充分ではない日本が、この問題に今後どう向き合っていくことが求められているのか、を考えるよい契機となったと思われます。
GREATとは、「女性の変革のためのジェンダーに配慮した経済活動」の略語です。このプロジェクトは、経済団体、地方自治体、民間部門の活動の相乗効果を図り、技術的熟練やビジネス研修、技術革新、資源、施設、パッケージング、市場へのアクセス改善などを通じて女性の経済的エンパワーメントを可能にする、ジェンダーに配慮した就労・雇用環境を作り出しているところに大きな特色があります。
このプロジェクトを継続しスケールアップするためのヴェルゾーサ氏の提言は、次の通りです。.献Д鵐澄爾罰発と女性の経済的エンパワーメントに関わるあらゆるレベルの機関に能力開発や技術支援をおこなう。⊇性小規模起業家の協同組合を設立する。L唄峇覿箸箸力携を強化し、製品の品質改善と販路の拡大を図る。だ府・非政府組織や専門機関が女性海外就労者を対象としたプログラム、支援サービスを実施し、ニーズに応える。シ从囘エンパワーメントをめざす女性たちにとり、資本や融資、市場、能力開発や最新技術へのアクセスが保証されているかどうかのチェック機能の確立と改善。
最後に、女性の経済的エンパワーメントの実現には、関係機関による相乗効果を生み出すような取組みとジェンダーに配慮したガバナンスの確立が鍵であると結論づけ、参加者に力強いメッセージが届けられました。

パネルディスカッション
             2. パネルディスカッション

第2部のパネルディスカッションは、女性の起業をメインテーマにした熱気あふれる報告と論議が続きました。金融のスペシャリストとしてアジア各国で活躍中の原田文代さんは、「女性力を成長力と変革力に」と題して日本政策投資銀行が実施している女性起業家育成支援の取組みについて。また、若手起業家の萩生田愛さんは、「ケニアのバラで雇用を生み出す」とのタイトルで、アフリカの花屋の挑戦について。2つの報告とも、具体的に経緯が述べられたので、どのようにして女性の企業がサポートされ、かつ運営されているか、また、起業された事業の内容はどういうものなのか、その問題点は何か、がとてもよくわかり、起業の難しさと楽しさをよく理解することできました。
原田さんは、日本政策投資銀行が1951年創業の国立銀行で、戦後の産業復興のために作られたものであることから説き起こし、その銀行が、なぜ女性起業支援をするようになったか、また、起業支援プロジェクトへの応募に関する選考過程や基準などを明瞭に示されました。応募の事業に多い問題点は、発想はおもしろいが生産が追いつかない、思い入れが強すぎるため採用になりにくいなど、きわめて説得的な解説です。
萩生田さんは、ケニアで栽培されたバラの輸入・販売を通じて、「援助」ではなく途上国の人々と日本の消費者が、ウィン・ウィンの関係を築くためにどんなことをしたかという体験を、失敗や驚きも交えて活き活きと話され、参加者を感動に誘いました。シンポジウム会場にはケニアから直送された美しいバラも飾られています。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の主任研究員・女性活躍推進の専門家矢島洋子さんがファシリテーターを務め、起業を支援する側と、起業する側との架け橋を見事に渡されて、女性躍進のために何が求められているかの議論はいっそう深まりを見せました。ディスカッションには、基調講演のヴェルゾーサ委員長も参加し、女性の経済的エンパワーメントをめぐって熱い議論が続きました。
講演と議論を通して、フィリピンと日本における女性のエンパワーメントを強化するために必要なものが明確になり、女性活躍法や第4次男女共同参画計画が決定された現在の日本のこれからの方向性が見えてきたと言える有意義なシンポジウムになったと考えています。

質疑応答では、フィリピンでの女性活躍/女性の進出はいつ頃から始まっているか、海外で働く女性に対してどのような対応をしているかなどの質問が出され、20世紀初頭から、女性の躍進があったという歴史的事情が丁寧に説明されました。
第2部ではフロアからアフリカのバラ栽培について多数の質問が寄せられたほか、日本の女性はこれまでは起業しにくかったが、今後はノウハウが蓄積され、持続的に起業しやすい環境ができてきているなど、明るい見通しも含めて活発な議論がかわされました。



<過去の国際シンポジウム>
平成26年度 ダイバーシティ推薦と女性のリーダーシップ
平成25年度 男性にとっての男女共同参画
平成24年度 女性に対する暴力のない社会の構築に向けて

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