国立女性教育会館理事長 神田道子
新しい年が幕を明けました。昨年は政権交代という大きな変化事のなかで、予算編成も公開による「事業仕分け」という新しい方法が取り入れられました。「会館」は青少年教育振興機構、教員研修センターとともに、研修施設をもつ独立行政法人として、仕分け対象事業となり、公開仕分けの第1日目(11月11日)の第1回目9時30分から1時間、多くの傍聴者、そしてテレビカメラが林立する中で仕分けにさらされました。それを経て22年度予算案が閣議決定されたのは年末も押しつまった12月25日で、女性の参画によって33年間の歴史をきざんできた「らんざん」での仕事をなんとか継続できました。全国で男女共同参画の推進を願う人達の努力が結果につながったと思っております。しかし、それで終わりではありません。年始めからすべての独立行政法人の見直しが予定されており、緊張した新年を迎えました。
男女共同参画社会基本法が制定され社会的に承認された課題になってから10年余にしかならず、その理解もまだ表面的であり、定着し浸透していくのはこれからであり、「会館」が果たす役割は大きいものがあります。それにしても続けざまにおそってくる波のなかで実感しているのは、男女共同参画への道の困難さ、それとともに多くの人たちの「会館」へのおもいと期待です。「会館」はそれに応え、男女共同参画を進める学習と活動のナショナルセンターとして更なる充実を図ることが必要です。
今年は、まず発信力を高めることに力を入れたいと考えています。「会館」は研修、交流、調査・研究、情報の4つの機能をもち、特徴ある事業を展開しています。それをいかして基幹的リーダーのエンパワーメントや、喫緊の課題解決のための学習プログラムの提供等を行っていますが、これらを広く活用してもらえるよう発信することに力を入れたいと考えています。それも単に事業の内容だけでなく、その成果を広く知ってもらうことに力を入れるというのが、新しい取組みになります。実際に「会館」での研修や交流に参加した人たちが、地域で学習と活動を継続し、地域づくりに参画している実態があるのですが、それらの実態を明らかにし、情報として発信し共有したいと考えています。これには「会館」と各地の施設、機関、人との連携・協働を必要としますので、結果的にも連携・協働を深め広げていくことになりましょう。
次に、男女共同参画を進める学習と活動を、男性や、若年層に広げることに力を入れます。「共同参画について理解を広げる」「社会参画するキャリアの形成」等、必要な学習のためのプログラムの開発、提供、発信に取組みます。特に若年層ということでは大学等、学校教育機関との連携に重点をおきたいと考えています。
さらに、これまでも中核事業であった女性のエンパワーメントを、特に男女共同参画の視点にたった地域づくりを進める社会的人材の養成に重点をおきます。というのは、地域づくりは、現在、社会全体の重要課題です。その主要な担い手になっているのが女性であり、現状に立てば、地域づくりの担い手として女性のエンパワーメントの重要性は明らかです。
アーカイブの充実・アジア太平洋地域のハブとしての機能の充実等は引き続き力を入れて参ります。
これらの事業を通じて、ナショナルセンターとしての役割を果たしていきたいと考えていますが、その基盤として連携・協働が益々重要になります。今後ともよろしくお願い申し上げます。